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抜け出しちゃえ 4
ホテルを抜け出し、辿り着いた先は、山奥にひっそりと佇むラブホテルだった。
タクシーを止めてから此処まで、互いに何も話さず無人のパネルで適当に部屋を選んで案内に従いエレベーターに乗り込む。
扉が閉まるとほぼ同時、上昇するエレベーターの中で、ナギを抱きしめ唇を奪った。
一瞬、驚きに瞳を大きくさせた彼だったが、すぐにうっとりとした様子で全身の力を抜いて背中に手を回してくる。
「っ、ふ……もう、部屋まですぐなのに……」
「そこまで待てないよ」
そう言うと、蓮はナギを壁に押し付けて首筋にチュッチュと音を立てて何度も口付けていく。
「あっ……」
「早くキミを抱きたい」
「ん……」
蓮の吐息交じりの声に、ナギの口からも熱い吐息が漏れた。互いの下肢が触れ合いお互いの昂ぶりを布越しに感じると、余計に抑えがきかなくなってしまう。蓮はナギの腰を抱いたまま手を伸ばして器用にズボンのファスナーを下げると下着の中に手を入れてきた。
直接触れられた瞬間、ビクッと大きく体が震えた。そのまま上下に手を動かすと快感が強くなって膝が小さく笑い出す。
「あぁ……ダメ、待って、まだ……っ」
「部屋に行く前に一回抜いちゃう?」
「っ、馬鹿じゃないの!? 変態ッ!」
「う、ぐ……っ」
耳元で囁いたその瞬間。ドゴッっと鈍い音がして、油断していた腹にナギの膝蹴りが突き刺さり、鈍い呻き声を上げて蓮はその場に膝から崩れ落ちた。
丁度そのタイミングでエレベーターが開き、ナギがするりと蓮の顎に手を掛ける。
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