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変化する 7

「って、言うか……美月のは、見た目がもう……対照的、だな」 「あぁ、うん……」 そう言いながら美月の方に目を向けると、全体的に茶色い。いや、所々黒い物体が混ざっている。あれは……なんだ? よくわからないが、得体の知れない何かがそこにはある気がする。 「……お弁当なんて簡単って、思ったんだけどな」 そう言いながら悲しげに目を伏せ、しょんぼりした様子で俯く美月に、一同は言葉を失った。  重苦しい空気が広い空間に充満していく。 「――コレ、見た目はちょっとアレだけど、意外とイケるぜ?」 気まずい沈黙を破ったのは、東海だった。彼は美月が作ったと思われる黒く変色している卵焼きを摘むと、そのまま口に放り込み、もぐもぐと咀嚼して次から次へと箸を伸ばしていく。 「いいよ、はるみん。無理しないで」 「無理なんてしてねぇっての! お前、自分で食ってねぇだろ。ほら、食ってみろよ」 東海がそう言って、美月の目の前にずいっと皿を差し出せば、彼女は戸惑いながらも恐る恐る口を開き、差し出された弁当をパクリと頬張った。 「んっ……あ、……意外と食べれる」 「だろ? つか、作る時は味見位しろよな。お前」 「だって、時間なかったんだもん」 呆れたように溜息を吐けば、美月は不服そうに唇を尖らせる。 「だって、じゃねぇよ。……でも、俺は結構好きだけどな。コレ」 「へぇ、じゃぁ僕もいただこうかな」 「じ、じゃぁボクも……」 東海の言葉を皮切りに、そっと美月の弁当の中身を覗いて見る。茶色を通り越して黒っぽい何かを箸で摘まみ、ドキドキしながら口に運ぶと、途端に広がる酢の風味……。……なるほど、これは……。 「これ、酢豚だったんだね……」 蓮がそう呟いたと同時に、一同から乾いた笑い声が上がった。

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