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初対面 2
風呂から上がり、ナギが準備してくれた服に着替えるとシャツからフワンとナギが愛用している柔軟剤の香りが漂ってきて、ドキリとした。
サイズもピッタリで着心地が凄くいい。シャツの襟元を鼻に寄せスンと匂いを嗅げば、爽やかな甘い香りが鼻腔を擽り、ナギに包まれているかのようなどこかくすぐったいような気分になる。
「ごめん、服まで貸して貰っちゃって。お風呂ありがと……って……」
リビングに続く扉を開けると、海斗を抱っこしたまま炬燵に入りうつらうつらしているナギの姿が目に飛び込んで来る。
「まったく……。そんなとこで寝てると風邪ひくよ?」
「ん……」
蓮の声で、ナギはパチリと目を開いた。眠気眼でトロンとしている表情が、いつも以上に可愛くて、思わずドキリとする。
その腕の中では、幼い弟がスヤスヤと心地よさそうに眠っていて、その微笑ましさに頬が自然と綻んだ。
「ふぁあ……。ごめん俺、いつの間にか寝ちゃってた」
「いいよ。海斗君部屋どこ? ベッドに寝かして来るよ」
そっと抱き上げてみてもよほど眠りが深いのか起きる気配が無い。
幼い頃のナギもこんな感じだったのだろうか?
そんな事を考えながら、教えて貰った子供部屋へ連れて行きそっとベッドへと寝かせた。
(こうやって見てると、本当にナギに似てる……)
子供はどちらかと言えば苦手な方だし、どう接していいかもわからないが眠っている姿は凄く可愛いと思う。
笑ましく思いつつ、暫く寝顔を眺めてからそっと部屋を出てリビングへと戻るとナギが炬燵に入ったまま手招きをして、隣に座るように促してきた。
「なに?」
なんだろう?と思いつつ腰を下ろせば、すぐに腕が伸びてきて背中に腕が回される。
「え、ちょ、なに? な、ナギ……」
突然の行動に驚き、ドキドキしながら身を捩っていると、まるで猫のようにするりと身体を密着させた。
「俺にもかまってよ」
「っ」
甘えるような口調で、そんな事を言ってくる彼に目を見開く。
「……僕の理性を試しているのかい?」
「なにそれ」
クスクスと楽しそうに笑いながら、ナギがますますくっついて来る。
「今夜……両親戻って来ないんだ。だから……泊って行ってよ」
耳に息を吹きかけるようにして囁き、頬にちゅっと口付けを落とされて視線が絡む。
「……だめ?」
熱っぽい上目遣いで見つめられたら、断るなんて選択肢なんて理性と一緒にすぐにどこかへ飛んで行ってしまう。
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