293 / 351
初対面 8
「や、ああぁっ! も、だめ……だめぇっそこばっか、ホント、おかしくなっちゃ……あっ」
激しく最奥を突き上げる度にナギの目尻から涙が零れる。それをペロリと舐め上げて口付けると、ナギの細い指が蓮の髪を掻き混ぜながら首筋に縋り付く。
「んっ、んっ……ふっ」
深く唇を重ねて舌を絡ませ合い、互いの酸素を奪い合う。結合した部分がぐちゅっといやらしい音を立て、二人の性感を高める。
「はぁ……っナギ、好きだよ……」
「お、俺も……っ……ぁっ、んん……!」
熱くきつく締めあげられた脈動が弾けた瞬間、蓮の口内でナギの舌が痙攣した。ぬるりとした熱い体液が二人の腹を汚す。
「はっ……あぁ、ん……」
「凄く、気持ちよかったみたいだね」
くたりと力の抜けた身体を抱きしめながら問えば、ナギは恥ずかしそうにコクリと頷いた。
「可愛かったよ」
「……ばか……」
頬を真っ赤に染めたまま唇を尖らせたナギに、蓮は悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「照れてるの?」
「て、照れてない!」
「……可愛い」
「っ……もぉ、うるさい……」
ちゅっとナギの頬に口付ければ、くすぐったそうに身を捩ってクスクスと笑みを零す。
「んっ……蓮……」
「普段から名前で呼んでくれたらいいのに……」
「そ、それは恥ずかしいから無理っ」
真っ赤になったナギにクスクスと笑みを零して、額に優しく口付ける。
「そんな事より! さっきの……狡くない!?」
「え? なに?」
「急に、好きだとか……あんなの、ずるいよ」
言いながら蓮の胸に顔を埋めてモゴモゴと何事かぼやいている。
「あ、あー……うん。でも、本当にそう思ったから言っただけなんだけどね」
ポリポリと頬を掻きながら照れ臭そうにそう告げると、ナギはそっと顔を上げて蓮を見つめた。
「もう1回言ってよ……今度はちゃんと顔見て聞きたい」
「うぇっ!?」
思わぬリクエストに蓮は素っ頓狂な声を上げたが、ナギは期待した眼差しで蓮の顔を覗き込んでいる。
「うー……あー……好き、だよ、ナギ……」
「っ……そ、そう? ふーん……」
何だか妙な空気になってしまった。お互いに頬を染めて黙り込んだ後、どちらからともなく噴き出すように笑った。
「ナギ、好きだよ」
「ん。俺も……その……好き、だよ」
「うん」
照れながらも紡がれたその言葉が嬉しくて、蓮は再びナギにキスをして抱き寄せた。
ともだちにシェアしよう!