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初対面 8

「や、ああぁっ! も、だめ……だめぇっそこばっか、ホント、おかしくなっちゃ……あっ」 激しく最奥を突き上げる度にナギの目尻から涙が零れる。それをペロリと舐め上げて口付けると、ナギの細い指が蓮の髪を掻き混ぜながら首筋に縋り付く。 「んっ、んっ……ふっ」 深く唇を重ねて舌を絡ませ合い、互いの酸素を奪い合う。結合した部分がぐちゅっといやらしい音を立て、二人の性感を高める。 「はぁ……っナギ、好きだよ……」 「お、俺も……っ……ぁっ、んん……!」 熱くきつく締めあげられた脈動が弾けた瞬間、蓮の口内でナギの舌が痙攣した。ぬるりとした熱い体液が二人の腹を汚す。 「はっ……あぁ、ん……」 「凄く、気持ちよかったみたいだね」 くたりと力の抜けた身体を抱きしめながら問えば、ナギは恥ずかしそうにコクリと頷いた。 「可愛かったよ」 「……ばか……」 頬を真っ赤に染めたまま唇を尖らせたナギに、蓮は悪戯っぽい笑みを浮かべる。 「照れてるの?」 「て、照れてない!」 「……可愛い」 「っ……もぉ、うるさい……」 ちゅっとナギの頬に口付ければ、くすぐったそうに身を捩ってクスクスと笑みを零す。 「んっ……蓮……」 「普段から名前で呼んでくれたらいいのに……」 「そ、それは恥ずかしいから無理っ」 真っ赤になったナギにクスクスと笑みを零して、額に優しく口付ける。 「そんな事より! さっきの……狡くない!?」 「え? なに?」 「急に、好きだとか……あんなの、ずるいよ」 言いながら蓮の胸に顔を埋めてモゴモゴと何事かぼやいている。 「あ、あー……うん。でも、本当にそう思ったから言っただけなんだけどね」 ポリポリと頬を掻きながら照れ臭そうにそう告げると、ナギはそっと顔を上げて蓮を見つめた。 「もう1回言ってよ……今度はちゃんと顔見て聞きたい」 「うぇっ!?」 思わぬリクエストに蓮は素っ頓狂な声を上げたが、ナギは期待した眼差しで蓮の顔を覗き込んでいる。 「うー……あー……好き、だよ、ナギ……」 「っ……そ、そう? ふーん……」 何だか妙な空気になってしまった。お互いに頬を染めて黙り込んだ後、どちらからともなく噴き出すように笑った。 「ナギ、好きだよ」 「ん。俺も……その……好き、だよ」 「うん」 照れながらも紡がれたその言葉が嬉しくて、蓮は再びナギにキスをして抱き寄せた。

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