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小さな亀裂 7

下半身も緩ければ、口も軽いなんて最悪だ。最低どころの騒ぎじゃない。大切な秘密の一つも守れないのは社会人としてどうなのかと、嫌悪感から眉を寄せた。 「俺、あのMISAって女嫌いだ。……あの、莉音って男も」 蓮の隣で、ナギが眉間に深い皺を刻みながらぼそりと呟く。 その視線の先には、ようやく落ち着きを取り戻し始めた弓弦と、「ゆづの気持ちは充分伝わったよ。……でも、黙ってた事に関してだけは許さないんだからね!」と、泣き笑いのような顔で弓弦の頭をワシャワシャと乱暴に撫で回している美月の姿。 そしてそのすぐ横では、東海が「美月は甘すぎる」と不満げな顔を隠そうともせずに怖い顔をしている。 「はるみん、心配してくれてありがと。”お前の採用にどんな理由があったって、オレの相方はお前しかいないと思ってる”って言ってくれて凄く、嬉しかったよ」 「なっ、……ばっ、……べ、別に…俺は……ッ!」 美月の言葉に東海が顔を真っ赤に染め、動揺したように言葉を濁す。 その様子を微笑ましく思いながら、蓮はキュッと唇を噛みしめ、拳を強く握りしめた。 「僕もだ……。あの二人だけは、許さない……絶対に」 「そうだね」 蓮の言葉にナギが小さく頷く。 「なにか、調子に乗っているアイツらをぎゃふんと言わせる方法があればいいのに……」 「ゴシップネタでも提供する?」 「そうだな。……って、は?」 蓮がため息交じりにそう呟くと、後ろからとんでもない提案が飛んで来て思わず目を大きく見開いて振り返る。 そこに居たのは不機嫌そうに眉を寄せた雪之丞だった。

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