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OFFの日 4
「ナギ。ほら、起きて……」
「んー……後10分」
ナギは羽毛の上掛けを頭からすっぽりかぶって丸くなる。
「そうやってダラダラしてるうちに日が暮れちゃうよ?」
蓮は問答無用で上掛けを奪い取った。一糸まとわぬ姿で眠っていたナギの全身が外気に晒されて、寒さに身体をぶるりと震わせる。
これはコレで、何だかエロいような……。じゃやなくて!
「うー……」
ナギは枕にしがみ付いて抵抗していたが、やがて諦めたのか、ようやく重たそうな身体を起こした。
「ほら、早く支度しなよ。コーヒー淹れていおてあげるから」
「頭痛い……身体も怠いし」
ベッドの上で胡坐をかいて、寝ぐせでぼさぼさになった髪をクシャッとかきながら不満げな声をあげた。
「こんな姿、よい子の皆には見せられないよね」
「……誰のせいだと思ってんの。何回もさぁ……」
「う……それは申し訳ないと思ってるけど……」
それを言われたらなんだか居た堪れない。だって、止まらなかったのだから仕方がない。
でも、最後の方はナギも結構ノリノリだった様な……
「と、取り敢えず支度しておいでよ。待ってるから」
微妙になってしまった空気を誤魔化すように促せば、ナギはほんのりと赤くなった顔を隠すようにベッドから飛び降りた。
「取り敢えずシャワー浴びて来なよ。べたべたで凄い事になってる」
「誰のせいだと……」
ナギは不満げにぶつぶつ言いながら、床に散らばった服の中から適当に手ごろなシャツを掴んで浴室へと消えて行った。
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