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第35話 意地悪

 ぐい、と尻を両手で割り開かれ、中心になま温かいものが触れる。  ぬるり、と舐め回され、舌先で中心をつつかれて、ゾクリと背筋に快感が走る。 「あ、あ、い、や、ああ……」  ぎゅっとシーツを握りしめ、尻を震わせる朝比奈に、桜庭はニヤリ、と笑みを漏らす。 「嫌じゃないだろ。ちゃんと感じてるなら感じてると言え」  焦らすように、入り口を舐めては、中心をくすぐる舌の動きに朝比奈は耐えられなくなり、喘ぎまくる。 「いや、それ、い、やああ」 「どうしてほしい」  ぴくり、と固まり、朝比奈は消え入るような声で懇願する。 「中まで……舌、挿れて……」  ぐい、と舌をつぼめて突っ込まれ、朝比奈は小さくのけぞった。  なま温かい小さな凶器が、穴を出入りするたびに、ぞわぞわと快感の波が広がる。 「あ、あ、そこっ……」  朝比奈がびくん、とのけぞった箇所で、桜庭の舌が暴れるようにうごめく。 「ひっ、い、や、あああっ」  びくびくと朝比奈の背筋が震え出し、桜庭はしつこく舌をつぼめて、そこを突いてやる。  朝比奈はシーツに顔をうめて、ひくん、ひくん、と後孔を痙攣させた。  朝比奈のモノから、ぽとり、ぽとりと白い液体が滴る。 「イったのか」  シーツに顔を埋めたまま、朝比奈は力なくこくこくとうなずいた。  まだ身体が震えている。  桜庭はひくついている後孔に、ローションをたらし、指先をほんの少しだけ、つぷりと突き立てた。  ただそれだけで、朝比奈は小さく悲鳴をあげて、背中を震わせる。 「今日は、特別敏感だな」 「今、イったばかりだか……ああっ」  桜庭の指が、ぬるり、と奥まで侵入する。  迷うことことなく、急所をを見つけ出し、クリクリと刺激され、朝比奈の喘ぎはすすり泣きのような声に変わる。 「も、いいからっ、早くっ」 「まだだ」  桜庭は容赦なく指を出し入れしながら、再び朝比奈の身体をひっくり返した。  2本の指で急所を擦りながら、桜庭は朝比奈の股間に顔を埋める。 「だ、ダメっ、ああっ、やめっ……」 「足を開け!」  朝比奈は、目をぎゅっと閉じて、閉じかけた足をそろそろと開く。  桜庭は空いている片手で、膝を深く折り曲げさせ、M字に開脚させた。 「そのままじっとしてろ」  指は3本に増やされ、ずぶずぶと急所めがけて出し入れされる。  舌先で、一番敏感な尿道口をしつこく虐められ、朝比奈は悶えながら喘いだ。  意識を手放してしまいたいほどの、快感が一気に広がる。 「イクっ、イクっ、ああーっ」  朝比奈の悲鳴と同時に、桜庭は朝比奈のモノの根元をぐっと握った。  放出を止められて、朝比奈はびくびく痙攣しながら達してしまう。  だらりと力を失って、痙攣している朝比奈の足を抱え、桜庭はやっと自分のモノを入り口に突きつけた。 「陸、目を開けろ」  ぼんやり目をあけた朝比奈の目を、刺すように見つめながら、桜庭は下半身を埋め込んでいった。 「そう、い、ちろ……」  弱々しく伸ばされた朝比奈の両手を、背に回させてやり、唇を重ねる。  髪をなで、優しく深く、溶けるような甘いキス。 「総一郎、今日は意地が悪い……」  朝比奈は小さな声で、恨み言をもらした。  何が理由だか分からないが、桜庭は怒っているわけではなさそうだ。  優しくキスをしてくれる桜庭は、いつもと変わらない。  桜庭は埋め込んだ剣先を、急所に突きつけ、ぐっと押し付けた。  後孔がきゅうっと締まり、朝比奈の体がふるふると小さく震え出す。  キスをしながら、桜庭の唇がニヤっと小さく笑う。 「い、じわる……動いてよっ」  いいように弄ばれて、朝比奈は涙目だ。 「いいのか? 動いても」  ニヤニヤしながら、桜庭はじりじりと先を急所に押し付けていく。  身体を持ち上げそうなぐらいに押し付けられた桜庭のモノが、ぐりっと抉るように動いた瞬間に、朝比奈は悲鳴を上げてのけぞった。  ぐりぐりと一点を擦られながら、朝比奈は桜庭にしがみついてびくびくと震える。 「3回目、だな」  息も絶え絶えの朝比奈の耳元に、桜庭は意地悪く囁いた。  ずぶずぶとゆるやかに突き刺されながら、朝比奈は耐える。  まだ桜庭は挿れただけで、序の口だというのに、次々と快感の波が襲ってくる。  突き上げられると悲鳴をあげそうになり、朝比奈はキスをねだってしがみつく。 「陸、1回出すぞ」  桜庭のセックスはいつも二回目の方が、絶対にしつこいのを思い出して、朝比奈は気が遠くなりそうになった。  桜庭の腰の動きが、浅く速いストロークに変わる。  浅いところを突かれると、的確に急所に直撃する。 「も、早くっ、あ、あ、ああっ」  激しく突きながら、桜庭は朝比奈のモノを握り、絞り出すように扱いた。  奥まで叩きつけるように突き刺すと、びゅっと精液が飛び散り、朝比奈はがくん、と意識を飛ばす。  朦朧と混濁しながら、身体の奥にどくんと注ぎ込まれたのを感じた。 「あ、そう、いちろ……出して……もっと」  小さく嬉しそうな笑みを浮かべた朝比奈の顔を見ながら、桜庭は思いきり腰を擦り付け、長い射精感を味わった。  糸が切れたように、横になって小さく丸まり、肩で息をしている朝比奈を見て、桜庭はやりすぎたか、と少しだけ反省する。  しかし、いつもやり過ぎた後で気付くのだから仕方がない。

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