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第23話 戯れる

「どうだ。どこかファイルが壊れてるとか?」 「いえ……今のところは無事みたい……あっ……やっ……」    シャツの上からでもはっきりと存在が分かるぐらいに固くなってきた乳首を、滝沢はぎゅっとつまんで刺激する。   「勃ってきたんじゃないのか?」 「圭吾が……そんなことするからっ……」 「早く、復旧してくれよ」    滝沢にうながされて木原はなんとかパソコンに向かおうとする。が、滝沢は木原の下半身に手を伸ばし、ファスナーを開けてモノを引っぱり出してしまう。   「もうこんなになってる」 「圭吾っ……あっ……触ったら……ああ」 「お前が仕事しながら下半身がこんなことになってるなんて、会社で思い出しそうだな」    滝沢はクスリと笑って、握ったモノの先端に指先でゆるやかな刺激を与える。  イかせてしまうような強い刺激ではなく、焦らすようにゆっくりと指でなで回してやる。    木原は目を潤ませて、それでも画面を見つめて何かの処理をこなしている。  羞恥に顔をそめても、滝沢のしたいようにさせたまま我慢している木原の姿が可愛い、と思う。   「これで、処理できたら終わりだから」    画面に処理予定時間、10分と表示されて、木原はぎゅっと目を閉じた。   「その間にこっちも処理するか?」 「ああっ、け、圭吾……ここでするの?」 「まだ、処理が終わってないんだろう?」    滝沢は回転式の事務椅子ごと、木原を自分の方に向かせると、ズボンのベルトを引き抜いて下半身を露出させた。   「直してくれたお礼に、木原チーフをイかせてやるよ」    ニヤリ、と笑みを浮かべて滝沢は木原のモノをペロリと舐めてみせる。   「そ、その呼び方……やめて下さい……」 「どうして。仕事中はそう呼べって、お前いつも言ってるだろう」 「今は二人きりじゃないですか」 「お前のその丁寧語のしゃべり方も、こういう時にはそそるな」 「うっ……んああ……ああっ」    本格的に口に含んで扱き出すと、みるみる木原は乱れ始める。  滝沢は口で木原を追いつめながら、ズボンと下着を完全に脱がせてしまった。   「いいながめだ。上半身だけまだ木原チーフだな」 「そんなっ……ことっ……言わないでっ……あっ、何をっ」    滝沢は木原の両膝の裏を持ち上げると、事務椅子の肘掛けに両足をひっかけさせる。  椅子の上にM字開脚させられて、さすがに木原も抵抗するが、滝沢が押さえ込むとあきらめて目を閉じてしまう。   「木原チーフのこんな姿、誰も想像できないだろうな」 「僕がこんなことを許すのは、あなただけです……」    木原は震える声で、恥ずかしい行為を受け入れる。   「なら、もっと乱れてもらおうか」    滝沢はしゃぶっていたモノから、徐々に下方へ舌を這わせて、舌を窄まった中心に到達させる。  ビクリ、と木原がのけぞる。   「あっあっ……そんなところっ」 「舐めて濡らさないと、ローションがむこうの部屋に置きっぱなしだからな」 「ああっ……圭吾っ……そ……んな……中までっ……ひあっ」 「指も挿れて欲しいですか?どうします、木原チーフ」    冗談を言いながら滝沢は、舌先を窄まりの奥までくちゅくちゅと出し入れする。   「挿れて……指……あっあああ……」    つぷり、と指を入れられて木原がのけぞった瞬間に、パソコンのモニターがチン、と電子レンジのような音をたてて処理の終了を告げる。   「先にイきたいか?それとも仕事する?」    滝沢は指を突っ込んだまま立ち上がると、木原の顔を覗き込む。  先にイきたい、と言わせたいので指をじわじわと動かしてやるが、木原は急に冷静になったように仕事をする、と答えた。   「ココ、いじられながらできるのか?」 「圭吾は……僕に何をしてもいいけど……あんまりいじめないで下さい」    恥ずかしい姿のまま抵抗もせず、涙目で許しを請う木原に、滝沢は少しだけ良心が痛んで指を抜いてやった。  唇にキスをすると、木原は急に照れたように微笑み、足を降ろして姿勢を正した。   「もう、処理は終わりですから、あとちょっとだけ待ってて」    木原が二、三の処理を済ませてしまうと、滝沢は待ちきれないというように木原を抱き上げた。   「ベッドに行くの?」 「当たり前だ、あんな中途半端でやめられるか」 「せっかく温かい中華饅頭買ってきたのに」 「後でレンジでチンしたらいいだろ」    滝沢は木原をベッドの上に放り出すと、眼鏡をはずそうとした木原の手をつかんで止める。   「今日はそのままヤらせろ」 「どうして……眼鏡なんて邪魔でしょう」 「いいんだ。会社で俺にツンケンしてるお前も好きなんだよ。いつも会社で無理矢理押し倒してみたいと思ってたんだ」 「バカ……圭吾……」    少しムクれたような表情になりながらも、木原は眼鏡をはずすのを諦める。  なんでもいい。  滝沢が少しでも自分のどこかを好きだと言ってくれるなら。  こんな自分に興味を失わないでいてくれるのなら嬉しい、と木原は思う。    滝沢は自分も下半身だけ脱ぎ捨てると、まだネクタイも締めたままの木原におおいかぶさってキスをした。  会社で毎日顔を見ているのに、なかなか抱き合えなくて、恋こがれていたままの木原を抱きたい気分なのだ。  

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