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顔を真っ赤にして、僕の言葉の意味がわからないと言う様に恍ける姿も、揶揄 い甲斐がある。
「見たことありますよね? 僕と坊ちゃまの、セックス」
「………っ、あ、あれは、その……」
図星だったみたいで慌てふためく彼は、逃げようとしてる。
僕は逃がさない、と、彼の手を取って、僕の浴衣の隙間から招いてあげる。
「ひぃ…っ!」
吃驚 した彼の顔。それは正しい反応だ。
「この帯を解いたら…僕は生まれたままの姿になりますよ?」
「え……そ、それは…いつも、ですか?」
「雨の日、だけです」
「な、何で……」
「言ったじゃないですか。雨は全てを掻き消してくれる…って」
「は……はい…」
「坊ちゃまも、雨の昼下がりに来てくれたんです。丁度、このくらいの時間ですね」
そう、だから、僕は目の前の彼に欲情している。
あの人が居なくなってからは虚しい「ひとりあそび」をこの縁側でやってる。
ザー ザー ザー
強くなる雨音に僕は本能のままに、彼の手を使って、熱を鎮める行為を始めた。
嫌悪感のする音も、全部雨で聞こえない。
「あ…んん…っ」
「ちょ、ちょっと…待って…っ!」
「は、だめ、イく…イっちゃ…あ、あぁ…っ!」
雨足が益々強くなったのと同時に僕の吐き出した欲望が彼の手を汚した。
僕が無理やり掴んでいる彼の手は小刻みに震えていた。
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