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 俺の手がやっと彼から解放された。  べっとべとに精液まみれの手を浴衣の裾から出してまじまじと見てしまう。  雨音と同時に思い出した。  俺は彼の妖艶で淫乱な姿に興奮して達したことが気持ち悪くて雨に打たれて走って帰った。男に興奮する異常性を認めたくなかったから雨に紛れて泣きながら走った。  はあ はあ はあ  俺のこの呼吸はあの焦燥に似たもの、ではない。 「……そんなに、興奮しますか?」  俺は何を言っているのだろう。 「俺が、あの人みたいに…あなたを慰めましょうか?」  自分でも分かる、今の俺は獣だ。 「一応、セックスは経験してますから…」  俺は快感で膝から崩れて座り込んでいる彼と視線を合わせると、熱で潤んだ彼の眼前で汚された俺の手を見せる。 「けど、男性は初めてだから…これの使い道を、教えて下さい」  そう言ったら彼は妖艶な笑みを浮かべて、浴衣の帯を自分で解いて美しい身体が露わにし、両膝を立てて座り、精液にまみれた彼の屹立を見せてくる。 「男は、ここを使うんですよ……」  丁寧に脱毛されている下半身は全てハッキリと見え、綺麗なピンク色の蕾がヒクヒクと欲すように動く。それを見てしまった途端、俺の雄が硬く勃ち始めた。    精液まみれの手で彼の蕾に触れると、誘われるまま、中に指を2本挿入した。いや、吞み込まれていく。  きっと生々しい音が鳴ったはずなのに、雨と彼の大げさな呼吸で聞こえない。 「はぁ…ん、あ、はぁ……挿入(はい)ったぁ……」 「ココ、女みたいに擦っていいですか?」 「はい…激しく、こすって下さい……」  懇願してきたのは彼だから、という言い訳を考えながら彼の細い身体を縁側の古い床に押し倒して、女にするように彼のナカをかき混ぜる。 「ああ、い、いいぃ…そこ、もっとぉ…っ!」 「ココ、ですか?」  2本の指をクイっと曲げると彼の下腹部がビクビクと震える。面白くてソコをコリコリと指先で掻き乱すと、遠くから雷鳴が低く響き始めた。 「もう一本増やします…」 「あ、増やしてぇ…ああっ!」 「すげぇ……すぐ挿入った……っ」  そして彼も益々興奮して美しくも雄々しいソレは彼の細い腹につく程に反って、カウパーが次々と溢れている。俺が指を増やしたからなのか、雨が止まないからなのか、分からないけれども。 「ああぁ…ん…」 「本当に、オンナみてぇ……」

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