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第27話 食後の運動

「じゃあ、もう早く休んだ方がいい」    岬はちらっと壁の時計に目をやる。もう午前2時を回っている。  織田は立ち上がると、岬を抱き寄せて優しくキスを落とす。   「そうだな、食後の運動して寝るか」 「疲れてるんだろ?」 「康介の可愛い声聞いたら、疲れもふっとぶさ」 「俺、明日ライブなのに……」 「なら、声出せねぇようにしてやろうか?」    織田は岬をベッドに押し倒すと、片手で岬の口をふさいでのしかかるように下半身に手を伸ばす。  じたばたと暴れて抵抗する岬を押さえつけてモノを引っ張り出すと、岬はギブアップというように織田の背中に手を回してぽんぽんと叩いた。   「1回だけな」 「ああ、今日はそれで我慢する」    どんな時でも岬が織田を拒絶することはない。  いつでも応えようとしてくれる岬の気持ちが織田には嬉しくて可愛く思える。   「俺がしてやるから」    お互いに服を脱ぎ捨てると、岬が織田のモノに口づける。  温かい感触に包まれて、岬の舌が這い回る。    至福の気持ちよさに、織田は目を閉じる。  どこが感じるのかもう知り尽くしている岬の舌使いは織田を簡単に追いつめる。   「康介……お前もこっちにお尻を向けろ」    岬は織田のモノを銜えたまま、素直に織田をまたぐように四つんばいになった。  織田は岬のモノを優しく扱きながら、目の前に晒された岬の双丘を押し広げて、後孔に舌を差し込んだ。  舌先に力を込めてねじり込むように舐めてやると、岬の腰がぴくっと震える。   「んっ……んんんっ……ああっ……」    声を我慢して必死で織田のモノにしゃぶりついていた岬が、こらえきれずに声を上げた。  織田が扱いてやっている手は、岬のモノから滴る露でぐちゅぐちゅと音を立てる。  しつこく後孔を舐め回しながら扱く手を強めたら、岬はついに逃げ出して織田を軽くにらんだ。   「1回だけって言っただろ」 「俺は1回だけど、お前は何回でもイったらいいだろ」 「俺は明日ライブなんだから……」 「声出さなきゃいいんだろ」    織田はローションを素早く手に出すと、逃げた岬を捕まえて羽交い締めにしながら、後ろに指を突っ込んだ。  岬とベッドの上で鬼ごっこをするのは、2人のレクリエーションみたいなものだ。   「あっ……ああ……修司……」    織田に背中からのしかかられて、岬はシーツを握りしめながら掠れた喘ぎ声を上げる。  深く差し込まれた織田の指は岬のいいところを簡単に捕らえてしまう。   「ここだろ、康介」  指を増やして岬を抱きかかえながら、ぐりぐりと解してやると、岬は織田にしがみついて耐えている。 「あっ……んんっ……ダメだって、そこばっかり!」 「だってここがイイんだろ?」 「も……もうっ! 修司、しつこいっ」    岬は再び織田から逃げ出すと、織田を押し倒して馬乗りになった。  涙目で息を整えながら、自分で後ろに挿れていく。  織田は黙ってそんな岬をじっと見つめている。    本当に可愛いよな……こういうところ。  怒りながらも、織田が疲れている時は積極的に自分が動く岬なのだ。  岬が腰を動かし始めると、織田は今にもイきそうになる。  疲れているので、我慢がきかない。   「こ、康介……もっとゆっくり……」 「どうして」 「1回きりなら、もっとゆっくりお前の中にいたいだろ」  織田は上半身を起こすと、繋がったまま岬を抱きしめる。 「今日は、ここを忘れてた」 「あ……ん……気持ちいい……」    岬は胸にキスをされるのが好きだ。  その時だけは素直に甘い声を上げて、嬉しそうな表情になる。  織田は体勢を交代して、岬をベッドに寝かせてやる。  溶けるような深いキスをしながら、ゆっくりと腰を動かす。  じわじわと引き抜いて、またじわじわと押し込んでいくことを繰り返していると、岬は身体を震わせてぎゅっと抱きついてきた。   「どうしてじらすんだよっ」 「じらしてるんじゃないって。イきそうなんだよ」    織田は動きを止めて、岬の唇を貪るようにキスをする。   「ずっとこのままお前の中にいたいぐらいなんだ」 「バカ……寝れないだろ」    岬は優しいバージョンの織田に弱い。  ストレートな織田の言葉は心臓を直撃する。  キスを浴びながらゆっくり動かれると、それはそれで感じてしまう。  じわり、と気持ちいい場所を擦られると、ゾクゾクするような快感がどんどん広がってしまう。 「修司……あ……ダメ……イクっ……」    悶えている岬の舌にねっとりと絡みつくようなキスをしながら、織田はそれでも激しく動かずに小刻みにポイントに擦りつけてやる。   「や……あ……あ……修司っお願いっ……イクっ!」    クスっと笑った織田は、岬の望むところをぐりぐりっと抉ってやった。  岬の身体がびくびくっと痙攣して、触ってもいないのに白い液体がトロリとあふれ出す。   「仕方ない……俺もイクか」    絶頂に震えている岬に、織田はやっと本気で腰を打ちつける。  いやいや、と首を左右に振りながら悶えている岬を押さえつけて突き立てるのが最高なのだ。  すでに白濁をあふれさせているモノを搾り取るように扱きなが突いてやると、岬は泣き出しそうな声で訴える。   「は……早くっ……早くイって……」    思い切り突いた瞬間に、岬のモノはびゅっと勢いよく液体を飛ばした。  強く締め付けられて、織田もうめき声をもらして達した。   「1回って言ったのに……」 「あれ? お前もう2回イったのか?」    クスクス笑いながら、織田は岬を抱えるように横になる。  涙目で抱きついてくる岬がたまらなく可愛い。  本当ならここからまだ2回戦に突入したいぐらいなのだが、明日はライブだというから仕方がない。   「ああ……やっぱりお前といる時が最高だ」 「なんだよ、今日は」    岬は織田の腕の中で照れてしまう。  何か仕事でストレスを抱えているのかもしれないが、一緒にいて最高だと言われるとやっぱり嬉しい。   「康介がいて俺は幸せだ」 「何言ってんだよ……今日はどうしたんだ」 「いや、こういうことは生きてる間にちゃんと言っておかないとな」 「バカっ縁起でもないこと言うなっ」    人間幸せすぎても不安になる。  生きてる間にという織田の妙な一言に、岬は織田が何か危ない事件にでも関わっているのではないかと嫌な予感に取りつかれる。   「修司……ずっと一緒にいたい」 「ああ、一緒にいようぜ。ずっとな」

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