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第4話

結果。 近くのカラオケに移動したが、別に襲われるでも告られるでもなく。 移動中に聞いたが、藤田蓮、ハタチの大学生。 俺、川嶋孝介、同じくハタチ、大学生。 「なーんだー。ハタチー!?タメじゃーん」 隣でキャッキャとはしゃぐ、年齢を聞く前まで年齢不詳だった蓮。 何処と無く幼く、年下にも見えるし、ゲイ、て事もあるが、物怖じしない感じが逆に手練た感じにも取れて年上のようでもあり、まさかのタメ。 全然、違うレールを歩んできたんだろうなー。 俺がグレーなら、蓮は真っピンク。 「どしたのー?曲、入れないのー?」 「カラオケ、あんま好きじゃない」 「ふーん。勿体ないねー、カラオケ来たのにね?でも、いっぱい歌えるからラッキーかな、ふふふっ」 そうして飲み物休憩は挟みつつも、ほぼ、2時間、蓮は歌いまくってた。 俺の方は歌うのに夢中な蓮をいい事に、たまに画面は見つつも、飲み物を飲みながらスマホいじって終了。 さ!カラオケを出たらおさらばだ。 「じゃーな、蓮」 と背を向け、歩き出す。 服見たかったけど、なんか疲れたし、自宅でのんびりしよう...。 暫く歩いていて違和感を覚え、振り向いた先、蓮と目が合った。 なんだか、真剣な眼差し...。 そこからは大股で歩いたり、小走りになったり...次第に息が上がり、立ち止まり、息を荒らげた。 2m程の背後にいる蓮も同じように膝に手を置き、中腰でゼェゼェ、言ってる。 「な、なんなの、あんた。ストーカー...?」 「ち、がう。これ...っ」 振り返ると、まだ息が整わないまま、何かを差し出してきた。 ソレを思わず凝視してしまう。 多分、握り締めて歩いてきたんだろう...手汗で濡れ、グシャッとなった5千円札...。 5千円札の人の顔が無惨に歪み、きっと泣いている...。 「....要らない」 「で、でも、何かお礼したくって...」 「や、別に...」 「殆ど、君、払ってくれたじゃん?」 早く帰りたかったからね。 キラン!と俺を見上げる蓮の瞳に星が見えた。 「じゃーさ!飲も!これで!」 「....5千円でか?」 「うん!あ、別に5千円で、て訳じゃ無いけど。宅飲みしよ!君の家で!」 「....俺の家?」 うんうん、と蓮がしつこいくらいに頷く。 「お前の家、て選択肢はないの?」 途端、蓮がきょとん、となった。 「んー、別に僕のアパートでもいいんだけど。電車とか乗り継いで、4時間は軽く掛かるんだよね...それでもいいなら....てか、ここ、何処?」 辺りをキョロキョロ見渡してる。 ....ド田舎からわざわざ振られに来たの、こいつ...。

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