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何故か俺ん家での宅飲み
俺のマンションまでに近くのコンビニで酒やらツマミを買い、
「うわあ、広いねー、何畳?」
「さあ....一応、2LDK」
「えーっ、うち、1Kだよー。タメなのに、ずるいー」
何がずるいのかわからんが、歩き回ったのでとりあえず、俺はビール、蓮はキウイの酎ハイで乾杯。
ポテチやカルパスとかの袋も開けた。
「あ!そうだ!なにか作ろうか?乾き物ばっかだとなんだし...冷蔵庫、見てもい?」
「別にいいけど」
ビール飲みながら答えると、何やら蓮は冷蔵庫を漁り、キッチンに立った。
暫くするといい香り.... 。
「お待たせー!」
にこにこと三つの皿を持ってきた、が。
「....なに、これ」
「え?玉子焼きだけど」
「見たらわかる」
三皿ともに全て黄色く四角い玉子焼きが所狭しと陳列されている。
「....なんで玉子焼き。てか何個使った...?」
「んー?半パックくらいー?冷蔵庫見たら、卵しか無かったからー、あ、こっちは甘いの、これはちょっとしょっぱい、で、こっちはね....ふふふ」
いきなり俺を見上げ、
「何だと思う!?」
嬉しそうに聞いてきた。
「や、知らんがな」
が、美味かった。
「あ、そうそう、ちょっと待って」
自分も玉子焼き、もぐもぐしながらキッチンへ戻り、冷蔵庫を開けると何やら漁って戻ってきた。
「はい」
手渡されたのはマヨネーズ。
「マヨラーでしょ?マヨネーズ付けても美味しいよ」
「なんで俺がマヨラーって....」
「マヨネーズの減りが尋常じゃ無かったから」
またパク、と玉子焼きを放り込み、咀嚼すると酎ハイを飲んだ。
「料理、好きなの?」
「んー...まあ、好きだけど、ほら!男を落とすにはまず胃袋から、て言うじゃない!?」
マヨネーズを皿の片隅に絞りながら、
「俺は落ちねーから」
「まあ、ノンケだろうし、落とすつもりはないよ」
何味か分からない玉子焼きを勧められ、恐る恐る食べた。
「何でしょー!?」
口元を抑え、咀嚼しながら考える...。
「ん?微妙に辛い....」
前のめりになり、目をでっかくして、俺の様子を伺ってる。
「....美味いな。でも、なんだろな」
「カラムーチョ!」
「カラムーチョ!?お菓子の?」
うんうん、と蓮は頷き、自身も同じ玉子焼きを箸で取る。
「ちょっと辛味欲しいなあ、て、試しに前、やってみたら案外いけたんだよねー!のり塩とかもなかなか合うよ」
カプ、と玉子焼きに齧りつき、真ん丸になった目も口元も楽しそうに笑ってる。
不覚にも、可愛い、と思ってしまった。
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