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第6話

「でも、また何で友達の彼氏、寝とったわけ?」 目の前の蓮が酎ハイ、吹いた。 「な、なんで、それ」 「や、丸聞こえだったし、そちとら興奮状態でそれどころじゃなかったろうけど」 「アレねー、勘違いされたんだよねー」 「勘違い?」 酎ハイを口元に当てたまま、うん、と頷いた。 「友達の...といっても、女友達なんだけど、その彼氏の相談、乗っただけなのね」 「何処で?」 「相手の家」 「で、寝たの?」 「うん、寝たよ」 ぷ、と笑いが込み上げた。 「やっぱり寝たんじゃん」 「え?そりゃ、寝るよー。長い時間、付き合ったし、酒も入ってたし」 「良かった?」 蓮がきょとん、と小首を傾げた。 「良かった、て?何が?」 「だーから、エッチ」 「はあーーー!?」 雄叫びと共に顔が見る見るうちに真っ赤になった。 「な、なに、なんでそうなんの!?」 「だって、寝たっつーから」 おちょくんの楽しいなあ、とグイ、とビールを煽る。 「違う!違う違うー!一夜を共にしただけ!同じ部屋で!」 「なっに、そのやらしい説明」 「だー!!!僕はソファ、相手はベッドだし!当たり前じゃん!相手はノンケだし、なにより、大事な女友達の彼氏だもん!」 不貞腐れたように蓮も酎ハイを煽った。 「説明、下手すぎなんだよ、あんた」 蓮が、う、となった。 「女友達にも言われたー。納得してくれたんだけど、彼氏がねー」 ぴく、と俺の片眉が動く。 「女友達、ねえ。女友達、多いの、あんた」 「あー?うん、どっちかといえば。ほら、女の子、可愛いし、それにノリや話しも合うっていうかー」 「ふうん?その女友達、良くしてくれた人に紹介してみたい、とか思わない?」 「良くしてくれた人....?」 俺だよ、俺、と顎を掲げ、髪を掻き上げてアピール。 「....誰だっけ」 「俺だよ!」 「....紹介して欲しいの?」 「まあ...紹介したいんなら?」 うーん...と蓮が何やら思案している様子。 「どんな子がタイプ?」 「どんな子...おっぱいデカ目な子?」 途端、蓮の目が険しくなった。 「そんな不純なタイプは論外!紹介しない!」 「なんでだよ!男は大抵、デカパイ好きなんだから、しゃーねーだろ」 「僕は違うもん!」 「そりゃゲイだからおっぱいのデカさよりちんこのデカさだろうしな」 涼しい顔でビールを飲む俺とは裏腹に蓮の顔は羞恥で真っ赤。 「そういうんじゃないの!友達が傷つくのとか嫌だから、大切な友達だもん!やられて終わるとか、もしあったら僕の責任でもあるし!あと、女の子を胸で判断しないでよね!」 随分、女の味方だな。 「女の子だって好きで胸が大きいとか小さいとかじゃないの!中身を見てあげなきゃ!孝介だって、粗チンだから、て振られたらショックでしょ!?」 酒が入ってるのもあるんだろうが、一気に捲し上げると、一気飲み。 「...粗チンねえ...。言われた事ないけど。見る?」 「見ない!!!」 これまた蓮は顔真っ赤っかにして、怒りを顕にした。

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