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ゲーセンにて
不意に蓮の視線が俺に移動するなり、笑顔を見せた。
「あ、もう来てたんだ!?あと少しあるからゲームでもして待ってて貰ってい!?」
「ああ」
そうして、暫し、久しぶりのUFOキャッチャー。
滅多にした事ないんだが...。
驚いた事に簡単に取れた。
昨夜、取りやすいように配置変えてる、てガチだったんだな...。
途中、別の女性店員が袋を渡してくれ、計4個、取れた。
「お待たせ!」
俺が貸したシンプルな黒のTシャツにデニム姿、昨夜着ていた服を入れる為に貸した服屋のビニールを手にした蓮が現れた。
俺は派手な色とか苦手だし着ないけど、蓮は昨日も濃いパープルのTシャツに黒のデニムだった。
明るい色のが合うな、こいつ。
「いっぱい取れたみたいだねー」
「まあなー」
多分、殆ど、お前のお陰なんだけど。
「10分くらい歩くよー」
暫し二人で並んで歩いていると、嗅覚を誘う匂い...。
座敷に案内され、向かい合い座る。
「とりま、ビール?」
「んー、レモンサワー」
先に飲み物を頼み、コースが来るのを待った。
「ほい、これ」
蓮に1つの袋を差し出した。
「?なに?」
「服」
「僕に!?開けてい!?」
瞳をキラキラさせながら見上げてくるが...。
「や、駄目だろ。焼肉の匂いがつく」
「あ、そっかあ...」
残念そうに口を尖らせた。
「あとこれも」
UFOキャッチャーで取れたぬいぐるみ達。
袋にはゲーセンの名前が入ってる。
「え。せっかく取れたのに」
「退屈しのぎだし。それに俺、ぬいぐるみを置くの嫌だしさ」
ふふ、と蓮が笑う。
「確かに。似合わないね、孝介にぬいぐるみ。...じゃ、1つだけ、孝介にあげるから、どれか選んで?ぬいぐるみが取れた記念!」
「...どんな記念だよ」
ボヤきながらも、馬のぬいぐるみを1つ貰った。
「お待たせしましたー!」
「わ!来たきた!」
肉の盛られた皿がテーブルを埋め尽くしていく。
「とりま、タンからでしょ!」
蓮がトングを使い、網にタン塩を並べ始める。
互いにタレに付け、パク。
「ん~~~!」
蓮は瞼を閉じ、頬っぺた抑え、ご満悦な様子。
「なんで焼肉、てこんなに美味しいんだろ」
焼肉の間、何回、蓮から聞いただろうな。
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