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デート

先に目が覚めた僕は暫し、隣で眠る孝介の寝顔をうつ伏せになり頬杖ついてひたすらガン見。 「ふ、わあぁーーー♡」 口にすら出さないけど謎の声が出そう。 思わず1人でニマニマしちゃう。 普段、目つきが鋭くてクールなイケメンなのに寝顔、めっちゃ可愛い...! しかも、なに!? 初同居!?初同棲!? 「キャーーー!!!」 と叫びたいのを堪える。 「あ、そうだ!」 誰に見せる訳でもない、SNSに上げるでもないけど...写メ撮りたい。 孝介の寝顔を撮影したら1人で歓喜してしばらく、足をばたつかせた。 そうして。 身支度を終え、朝食作りしていたら孝介が起きてきた。 「あ、孝介、おはよ!」 「おはよ。朝から元気だな」 孝介が微笑みながらキッチンに立つ僕に歩み寄ってきた。 と思ったら....頬に小さな口付けをされ固まった。 孝介は微笑を浮かべ、びっくり眼の僕を見下ろし、洗面所に向かったけれど... 「はわわわわ」 キスされた右の頬を咄嗟に抑えた。 ついでに、 「お前の朝食、めっちゃ楽しみ」 なんて色っぽく低い声で囁かれて体が熱い...。 今まで付き合った2人の彼氏はゲイだったけど、こんなことしてくれなかったし言っても貰えなかったな...。 元々、料理は好きだけど、嫌でも力が入っちゃう。 2人で朝食を食べた後は銀行へ。 孝介名義にと思ってたのに僕名義にしようと言われた。 「俺、金銭の管理とかよくわかんないし、お前の方が節約上手だろ?」 そう言って口座に孝介は2万入れ、僕は孝介から渡された5万から一部を入れようとしたら、咎められた。 「それは今月の生活費。食費はそこから。余ったら口座に入れればいいし、足りなかったら言って?」 孝介の運転する車の助手席で移動中、その横顔を眺めた。 「....もし僕が口座を持って逃げたらとか考えないの?」 孝介はハンドルを片手に正面を向いたまま、口元に笑みを浮かべた。 「お前がそんな奴じゃない、てことくらいわかってる。だからお前に惹かれて付き合いたいと思ったんだし」 平然とそう言われ、顔から火が出そう。 「色んな奴から信頼されてるんだな、て見てたらわかる」 「そ、そう、なの?」 返事の代わりに孝介は僕の右手をぎゅ、と握った。 「う、わあああああ♡」 これは僕の心の声。 それからは2人で食器を選び、お昼ご飯は目に止まったお店のお蕎麦にした。 だけど、これから食器を洗うの緊張しちゃうなあ...。 今までペアで揃えた食器は百均か見切り品的な割引されたお皿ばかりだった。 隣に置いたペアのマグカップやコップ、お茶碗やお皿の入った紙袋、全て合算したら約2万近いんだもの...。

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