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初?ラブホ

「何処がいい?」 僕の手を握り冷静にタッチパネルの前に立つ孝介がいる...。 「ど、何処でも...」 「じゃ、ここにすっか」 そうして二人で部屋まで密室のエレベーター。 ちら、と孝介を見ると、 「ん?」 と見つめ返された。 「な、慣れてる、ね」 きょとんとした顔を向けられた。 「...蓮、初めてなの?ラブホ」 怪訝そうに孝介に聞かれ、固まった。 ....初めてではない。 初めてではないんだけど。めちゃくちゃ緊張してる。 ちょうどいいタイミングでエレベーターが開いた。 「ほら、行くぞ。ケーキ揺らさないようにな」 「う、うん」 類さんのお店のティラミスとパンナコッタが入った箱を両手で大切に包むようにして孝介とシンプルな一室に入った。 「コーヒーでも飲むか。蓮は?」 「あ、お、お願い」 「ん」 しばらくするとサービスで備え付けのドリップコーヒーの芳香ないい香りが漂い、僕の座るソファの前のテーブルに置かれた。 「わあ...」 隣に孝介が座り、ケーキの箱を開封した。 ティラミスとパンナコッタが1つずつ。 プラスチックの小さなフォークが2つ入っていた。そしてなにやら白い小さなメモのような紙も。 『仲良くね♡』 肩越しに孝介が覗き込み、笑った。 「類さんらしいな。ケーキを持ち帰り、て頼んだ時点でお見通しだったのかもな」 「ラブホに行く、てバレてた、てこと...?」 かああ、と顔が熱くなり咄嗟に両手で頬を抑えた。 「うっ、わあ、恥ずかしい...!」 「....さっきから謎なんだけど」 不意に孝介に顔を覗き込まれ、その目を見つめる。 「蓮、ラブホ初めてなの?」 『....キャーーー!!!』 顔が熱い....。 が、孝介はそんな僕を見て吹き出し笑う。 「顔、真っ赤。なんでそんな照れてんの?」 「て、照れるでしょ!普通!僕、もしかしたら一生セックスレスかもとか思ってたくらいだし!」 「一生セックスレス?な訳ないだろ」 孝介の顔が近づいてきて自然と瞼を閉じると孝介の柔らかい唇の感触。 唇を割る孝介の厚い舌を受け入れ、僕も舌を絡ませる。 ケーキを食べるよりも前に孝介からの蕩けそうな甘いキスを頂きました。
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