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第35話
ケーキは仲良く半分こずつにし食べた。
勿論、しっかり類さんの直筆のメモも一緒に写メに収めてから。
食べている最中、孝介はお風呂を溜めていてくれたのだけど...
「どうする?たまには一緒入るか?結構、広いけど」
....恥ずかしい!
けどこんな機会もなかなかないので、恥ずかしながら頷いた。
ラブホならではなレインボーバスを備えたジェットバス、もこもこな泡風呂!
湯船の中で思わず泡を掬っては投げキャッキャと遊ぶ僕に孝介はひたすら笑ってたけど。
「子供みてーだな、ホント。風呂上がったら、豹変するんだろうけど」
「....豹変?」
にや、と孝介の不敵な笑みを見つめた。
豹変、てなんだろう。わからない。
「あ、恥ずかしいから先に上がってて、孝介」
「ん。わかった」
お風呂に入るときもなるべく裸を見られないよう、先に入ってて貰い、
「後ろ向いてて、孝介」
とか言ってたら、
「女か」
とツッコまれたけど...。
ノンケの孝介は果たして僕とどんなエッチをするんだろう...。
泡が消えた湯船の中で1人ぼんやり考える。
「....僕がリードするべき?や、待って、孝介も少しお酒入ってた訳だし、僕もそう。単に酔いをさます為にラブホに来た、て可能性も...」
....だったらビジネスホテルでも良かったはず。
閃いた僕はパン!と両手を叩く。
「あ!男二人で手ぶらでビジネスホテルとか逆にフロントに変に思われる!」
そうだ!きっとそう!
....あれ、でもそう考えたらちょっと虚しい...。
湯船の縁に掴まりため息をついた。
「おーい、蓮、大丈夫か?逆上せるぞ」
腰にバスタオルを巻いた孝介が浴室で声をかけてきた。
「あ、うん!もうすぐ上がる!」
とりあえずアレだ。念の為にお腹の中は綺麗にしておこう。
いつそうなるかわからない、と孝介と一緒に住むようになり寝る前は必ずしていたことではあるんだけど。
僕も腰にバスタオルを巻き、部屋に戻ると少し暗くなった部屋のベッドの縁には孝介が長い脚を組み座っていた。
「お待たせは?蓮」
「....お待たせ?」
どうやら僕の取り越し苦労だったみたいです。
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