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俺達の記念日⑥

ホテルに戻って何をするでもなくベッドに転がった。天井を見つめればさっきの光景が浮かんで溜息が漏れる。 はるの気持ちを疑っているわけじゃない。 憧れだって、好きなものだって共有していきたいと思ってる。 趣味だってそう。別々の趣味があるのもいいと思ってる。 でも、愛する人に触れられるのはいい気はしない。 そう、ただの嫉妬なんだ。 年を重ねるにつれ、色気を増していく恋人にハラハラしてドキドキすることが常にある。 中性的な顔立ちと容姿。誰からも好かれる性格に恋人としては自慢でもあるけど心配でもある。 見かけとは違う芯の強さに憧れてるし尊敬してる。 それでも腕の中に囲って誰にも見せたくないって思ってしまう。 それはエゴだってわかってるから理性が食い止めてるんだ。 自分の感情を整理しながら落ち着かせる術をこの8年間で身につけてしまった。 カチャリ開錠する音がする。ここに入って来れるのは1人しかいない。 俺は目を閉じて寝たふりをすることに決め込んだ。 疲れたフリをして目を覚ませば、またはるに笑顔を向けられる。 嫉妬なんてみっともない感情を奥底にしまい込みたかった。

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