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俺達の記念日11
なんの為?
そんなこと・・・はるは仕事を頑張ってるし、これからのことだってちゃんと考えてるのも知ってる。
それは俺達の将来とやり甲斐ある仕事をする為だってことも。
それに繋げる接待だと思ってた。さっき聞いた出版のことは想定外だったけど、それもはるにとってはやり甲斐ある仕事なんだよな。
黙ってしまった俺の右手をギュっと握りこんだ。
「あきら君との将来の為なんじゃないかな。それを見て欲しくて君を連れて来たんじゃないの?」
俺に見て欲しくて?これからの仕事を?
内田さんを見れば優しく笑って頷いた。
「七井さんはあきら君を本当に大切にしてるよ。花巻さんにああやっていいようにされてても頑張ってるじゃん。あきら君見てるのに嫌だと思わない?」
はるは独占欲が強い。俺が誰かに触られることを極度に嫌う。俺もはる以上に独占欲が強いとはるは知ってる。
「あきら君をサポート出来る自分になりたいんだって。サポートされっぱなしは嫌なんだって」
サポートされてるのは俺なのに。俺は何もしてあげることなんてないくらい、はると俺の差は出来ている。
「今日の内田さんは、はる寄りですね」
わかってても甘えてしまう。言葉を待ってる俺がいる。
「え?そお?俺はあきら君寄りだと思ってるけどね」
握り締めた手を指を絡めてしっかりと手のひらを合わす。
「あきら君が大切だからね、俺は。君が悩んでたら助けるよね、こんな種明かし、あきら君寄りでしょ」
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