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俺達の記念日14

そのまま後頭部に回った手のひらがグイッと引きよせる。 前かがみになった俺の頬にはるの唇がしっかりと吸い付く・・・ようにキスをした。 「上書き」 その一言ですべてがわかる。 「・・・はるも触らせ過ぎ」 吐き出せなかったほんの一部分を口にした。 多分、俺が感じた様にすべてがわかるんだろう。 「仕事だからね。あの人誰にでもボディタッチが多いから。気を悪くさせてるのはわかってるけど・・・ごめん」 やっぱりちゃんとわかってくれてる。 「俺はさ、はるとの距離が出来そうで不安なのと嫉妬とでグチャグチャだから・・・」 言いかけた言葉を遮るように人差し指を唇に押し付けてくる。 「わかってる、俺も感じた事があるから。だから頑張らないとって今頑張ってる。だけど気持ちの距離が出来てるわけじゃないんだよ。俺はちゃんとあきのそばにいるから、ずっと」 大きな瞳に映るのは俺だけだといい。そんなことを思わなくてもちゃんと映してくれてる。 ポンっと階を告げ、扉は開く。 手を取ろうとしたのは同時で。笑って俺の腕にまとわりつく様に絡めた腕に手を添えて部屋へと向かう。 こうやって確認作業をしていかないと溝が出来てしまう。 一緒にいることって大変で厄介なことも沢山あるけど気持ちの確認は怠ったちゃいけない。 揺らいだり、濁ったり。 その度こうやって確かめ合う。 まだ燻ってるものは解消してないけど、それは俺自身の問題なんだよな。 お互いにラフな洋服に着替え確認し合う。 お互いの姿をつま先まで見終えると自然と腕を伸ばして抱き締め合う。 はるの匂いを思いっきり吸い込んだ。

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