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第11話

「ルキア、診療所はここだよ! 」 アルフと一緒に歩いて来たルキアはようやく診療所にたどり着きホッとした。 (アルフ様の横を歩くなんて心臓がドキドキして持たないや! ) 「アルフ様、ありがとうございます! 案内してもらって」 ルキアは頭をさげる。 「楽しかったぞ、町の様子も聞けて良かった。余り町の方に行かれないからな」 (そっか、アルフ様が町に来た騒然とするだろうな。この美形と緑の目だとすぐバレるだろうし) 「それは良かったです」 中から白衣を来た男が出てきた。 「これはアルフ様! 体調でも悪くされたのですか? 」 心配そうに聞いてくる男に、 「違う違う、今日は私の侍医を連れてきたんだ。 ルキア、この者はヨリムと言ってここの院長だ。この者に色々聞くといい」 「あ、この方が新しい侍医の方ですね。私はヨリムといいます」 「ルキアです! よろしくお願いします! 」 「そんなかしこまらなくても大丈夫! 中に入りなさい。説明をいくつかするからね」 「は、はい! 」 「では、ルキア。また夜の仕事終わる前に寄ってくれ」 そう言ってアルフはルキアの頭をポンポンとした。 「は、はい、アルフ様」 ルキアは少し恥ずかしそうに答えた。 アルフが戻っていった後ろ姿を見ながらヨリムが、 「ルキア、君はアルフ様に気にいられてるようだね? アルフ様が今まで担当の侍医をここに案内して来たのは初めてだよ? 」 「そうなんですか? 」 ルキアは少し驚いた。アルフが自分を気にいってるとは思ってなかったからだ。 (こんな、平凡な俺になんで…) 「君はこの国では珍しい目と髪色をしてるね。それに女の様に肌が綺麗だ。そうゆう所も気に入ったのかな? 」 からかうようにヨリムに言われて、顔が赤くなる。 「ヨリムさん、からかわないで下さい! 早く仕事教えて下さいよ! 」 「悪い悪い! 君が可愛くてね! さてこっちにおいで。 君の部屋に案内するよ。夜はここの奥にある部屋に泊まることになってるからね」 ルキアはヨリムの後をついて行き色々覚えようとした。 __________________ アルフは自分の部屋に戻ってきてガフの顔が渋い事に気づく。 「ガフ、どうした? 私がルキアを連れて行ったから怒ってるのか? 」 「アルフ様、ルキア殿を気に入ったのは良いですが、ほどほどにして頂かないと…」 「悪い悪い、なんかあの子は可愛くてつい構いたくなるな」 ガフはため息をつきながら、 「アルフ様、先程フルーク様にお会いして、アルフ様に用事があるようでした」 と伝えた。 フルークの名前を聞いてアルフの顔から笑みが消える。 「兄上が? なんの用事だ? 」 「わかりませんが、後から部屋に来るようにと仰ってました」 「そうか、わかった。行ってみる」 「それと…」 「それと…なんだ? 」 「フルーク様はルキア殿にお会いしたいと…」 アルフの顔が更に険しくなる。 「なんだと? ルキアに? なんでだ? 」 「わかりませんが、腕がいいか確かめたいと…」 アルフはガフの言葉に考えこんだ。 「兄上が私の心配をしてそんな事は言わないはずだ。ならなんの意味があってルキアを? 」 「わかりませんが規則的にルキア殿がフルーク様を見るのに問題はないので、アルフ様に御報告してから連れて行くとお話しました」 「わかった。ルキアが来たら私が一緒に連れていく」 「かしこまりました」 ガフは頭を下げ仕事に戻る。 アルフはフルークの考えを予想していた。 (兄上は、いったい…ルキアを自分の言う通りにさせて私のスパイをさせるきか? それはルキアが望まなさそうだが…それとも毒の話が兄上まで漏れたのか? ) アルフは色々想定してルキアを連れて行こうこ決めた。 __________________ コンコン ルキアはアルフの部屋の扉をノックする。 「入りなさい」 ルキアはそっと扉を開けて中に入る。 「えっと、ルキアです。早く呼ばれましたが、どうかされましたか? 」 仕事終わり前にって言われていたが、だいぶ早くガフに呼ばれたのでアルフに何かあったのか心配していた。 ルキアの心配そうな顔に嬉しくてアルフは思わず笑みがこぼれる。 「ゴホンッ! 」 アルフをシャキっとさせようとガフが咳払いをした。 アルフはガブを睨みながら、 「すまないルキア、体調は大丈夫だよ。夕食には毒も入ってないだろうしね」 「では何用で? 」 「実は私の兄のフルークについてなんだが…」 「フルーク様ですか? 」 ルキアはアルフがなぜフルークの名前を出したのなさっぱり分からなかった。 「ルキアを兄上の所に連れてこいと言われてな…悪いが私と一緒に、来てくれるか? 」 「フルーク様の所にですか? 分かりました。でもフルーク様はなぜ私を? 何か失礼な事しましたか? それなら謝りに…」 「違うから心配するな」 ルキアが申し訳なさそうにしたのでアルフは言葉を遮る。 「私と兄上は仲が良くなくてな。多分イチャモンをつけたいだけだろう。ほっといてもそのうち何か仕掛けてくるだろうから、先に会いに行こうと思ってな」 アルフの説明にルキアは理解した。 (確かにフルーク様はアルフ様の兄上だけど、王位継承権はアルフ様の方が上だろうから、フルーク様はそれが気にいらないんだろうな…) 「かしこまりました」 「すまないな、ガフちょっと行ってくる」 「はい、お気をつけて」 ガフは少し不安そうに2人を見送った。

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