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第17話

「はい分かりました。この3つ目の紅茶、リンゴをベースに作られてるこちらに少量ですが、ヒガンクという薬草が使われてると思われます。アリーン様は少し嘔吐をされてるのでは? 」 ルキアの問にフルークは驚いた顔をした。 「そこまで分かるのか? その通りだよルキア」 フルークは嬉しそうにルキアに近づき隣に座る。 ルキアの肩を抱きながら、 「お前はやっぱり優秀だ。どうだ? アルフの所から俺の所に来ないか? あいつより報酬は弾むぞ? 」 ルキアは少し体をずらしながら、 「い、いえ、私は自分の判断でどちらへとか決められませんので…フルーク様? あっ! 」 ずらした体を戻され弾みでルキアはフルークの胸にもたれ掛かる形になる。 「ルキアから来てくれるとは大胆だな? 」 皮肉な笑みを浮かべながらフルークがからかう。 「ち、違います! 弾みで… 」 慌ててルキアは離れようとする。 「待て待てすぐ離れるな」 フルークはそう言って、ルキアを再度抱き締めた。 その様子をみていたファーストの眉が微かに動く。 ルキアはファーストの微かな変化に気づいた。 (ファーストさん、もしかして…フルーク様の事を? だから俺にあんなに素っ気ない態度だったのか! ) ルキアはファーストの自分への辺りが強いよをようやく理解した。 (なんでこんなフルーク様がいいかは置いといて、離れないと余計誤解されてしまう! ) ルキアは少し力を入れてフルークを押し戻そうとした。 (くっ! 全然動かない俺力無さすぎじゃない? ) 流石に鍛えられたフルークの力には叶わず、ルキアはフルークの腕の中から逃れられずにいた。 (はあ、もうなんなんだよ! この世界は! ) 若干投げやりな事を思いながらどうしたもんかと考えていた時、扉をノックする音がした。 「フルーク様、アリーン様がおいでになります」 執事に言われて、 「もうそんな時間か。仕方ないな」 フルークは渋々ルキアを離した。 「遊びはおしまいだ。ルキア、母上が来るから帰っていいぞ」 「は、はい。では失礼します」 ルキアは頭を下げ急いで部屋を出て行った。 「逃げ足は早い奴だな」 フルークは楽しそうにファーストに言った。 「フルーク様、程々にしませんとアルフ様がお怒りになりますよ? 」 「ふん、アイツは怒っても何もしないよ。今国王より偉いのは母上だからな。その息子の俺に表だって楯突きゃしないさ! 」 「それでも国王になられるまではトラブルはお避けにならないと…」 「わかってるよ、ファーストはうるさいな」 もうよいと手を払い黙るよう支持した。 __________________ (はあ、ようやく解放された! なんでフルーク様は俺を呼んであんな事を…) ルキアはフルークの部屋を出て歩きながら考えていた。 (本当にアリーン様の飲み物に入っていたのか? でも診療所にその報告は無かったし…) その時向こうから歩いてくるアリーン一行を見つける。 (アリーン様だ! ) とっさにルキアは角に隠れた。 (今からフルーク様の所に行くんだな? 何の話か聞けたら…そうだ! ) ルキアは周りをキョロキョロして誰も居ないのを確認した後、全身に力を集中させた。 徐々にルキアの体が薄くなっていく。 (よし、消えた。これでアリーン様の後ろから一緒に部屋に入れば話が聞ける! ) ルキアは急いでアリーンの後ろについた。 「フルーク様、アリーン様の到着です」 執事が声を掛け扉を開ける。 「母上、ごきげんよう。お待ちしておりました」 フルークがアリーンを出迎え手を取る。 アリーンはソファに座りながら、 「フルーク、私の言った通りにしたわね? 」 と、フルークを見た。 ルキアはソファの後ろに周り2人の話を聞く事にした。 「はい、母上に言われた通り紅茶を飲み比べしてもらいました」 「どうだった? 」 「やはりどれに毒が入ってるか当てましたね。あんな少量でも香りや味で気づかれるとは…」 「やっぱりね、アルフの食事の運び方を変えるよう支持したのはその侍医のルキアって子で間違いないわね…」 「多分そうかと…」 「全く! ようやくアルフを貶めると思ったのに、厄介な子が現れたわね! 」 「次はどうしますか? 」 ルキアはフルークとアリーンの会話を聞きながら身震いをした。 (何かおかしいと思ったらそうゆう事か…なんでアルフ様が元気になったかを確信したかったのか! アルフ様の予想通りこの親子が裏で指示してたんだ! ) 「フルーク、ルキアを誘惑して側室にする事は出来ないの? 」 「いや、やってるんですがアルフから何か言われてるのかガードが固く警戒心を持ってるので…」 「そんな流暢な事言ってないで薬でも使いなさいよ! 飲むのでバレるなら香りのを使えばいいでしょ? 」 「まあ、確かに…あの可愛い顔が歪むのを見るのは興奮するな」 (いやいや、何が興奮だ! 無茶言うなよ! どうして俺を手篭めする話になるんだよ! ) ルキアは1人ツッコミをしながら話を聞いていた。 「機会があれば使ってみますが…しかしアルフの隙を狙うのは難しいですよ」 「あなたが無理ならファーストにやらせなさい! あなたより警戒はしないでしょ? それが無理ならバレないように消えてもらうわ」 (消えてもらうって…まさか殺されるんじゃ…本当にこの人達はやりそうだし…) 「フルーク様が、仰って頂ければ私はなんでもやります」 ファーストが頭を下げて命令を待つ。 (イヤイヤ簡単に引き受けるなよ!なんだよこの世界は! すぐ人を殺すのか? なんてゲームだ! ) ルキアはこの世界に来た事を後悔してきた。

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