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第49話
サニーの部屋に来て1時間位たっていた。
ルキアとカオはサニーの質問攻撃にぐったりしている。
サニーだけ楽しそうだ。
「サニー様、そろそろおしまいに…お二人共お疲れですよ? 」
いい加減かわいそうになったチヒロが助け船をだす。
「そう? まだ聞きたかったけど、また今度にしましょうね。その時にはまた新たなお話が聞けるでしょうから」
ニコニコしなが追加要求をする。
(いや~凄い…アルフ様より…丸裸にされた気分だった…そりゃチヒロさんも嘆くわな…全然自分の恋愛に興味が無さそうだもん)
ルキアはチヒロを不憫に思った。
「ところで、ルキア。私に何か聞きたい事があったの? 」
随分前の話を覚えていたらしく持ち出してきた。
「えっ? あっ、はい…えっと…なんだっけ? 」
突然の本題に一瞬話が入ってこない。
「コホン…オーム様の事ですよ」
チヒロが思い出させる。
「そ、そうです! オーム様の事で聞きたい事がありまして…」
「オームお兄様ですか? 」
「はい、実は最近お薬の量を減らしているとお聞きして…でもお元気そうに見えるので体調が良いのか気になって… 」
「それね、私も少し気にはなっていたのよ。いつもお兄様にお薬を届けている侍医が最近辞めたのよ。多分クビになったと思うんだけど心当たりがないのよね。しっかりした方だったから…」
「侍医がクビに…では今はオーム様の体調は誰が診てるのですか? 」
ルキアの質問にサニーは考え込む。
「そうね…詳しくはお兄様から聞いてないけど、前にお兄様のお部屋に入る侍医を見たけど、多分アリーン様の侍医だったと思うわ」
『アリーン様の? 』
ルキアとチヒロが思わずシンクロした。
「多分ね、チラッと見ただけだから確定ではないけど…お兄様に聞いた事あったけど最近調子が良いから専属の侍医は要らないって仰ってたわ」
「侍医は要らない…アリーン様の侍医…」
「ルキア、何か気になる事があるのか? 母上が何かに関わっているんじゃないのか? 」
それまで黙って話を聞いていたカオが気になって聞いてきた。
「カオ様…それはまだ…」
カオの前でこれ以上サニーに聞くのは得策ではないと思い言葉を濁した。
カオはそれに気づき、
「ルキア、私を気遣う必要はないぞ。いくら母上とはいえ何か企んでいるのなら、黙っていられない! 」
「カオ様、落ち着いて下さい! まだ何も証拠もないのですから! まずはオーム様にどんなお薬を届けてるか調べましょう! アリーン様の診療記録とかは診療所にはないので、侍医が個別に保管してるんですかね? 」
ルキアがカオに尋ねた。
「うん、多分そうだと思うよ。国王と母上の侍医は守秘義務があるから、宮殿内の診療所には保管してないはず! 」
「では、その侍医の部屋に保管してるんですかね? 」
「多分…見た事ないから分からないけど」
「どうにかそれを見る方法はないかな? アリーン様を診てる隙に部屋に忍びこむとか? 」
ルキアの提案にチヒロも頷く。
「そうですよ! 私達が見たらなんのお薬か分かります! 」
「でも、母上の健診なんですぐ終わるしその間って結構短いと思うよ? どこにあるか分からないし、鍵とかかかってたら開けられないんじゃない? 」
カオの最もな意見にみんな再度考え込む。
「じゃあ、一度に全部するのではなくどこにあるかのまずは目星をつける。その次に居ないあいだに、鍵を開け診療記録を紙に写して帰るってのはどうですか? 」
ルキアの提案にサニーとチヒロが頷く。
「そうね…でもそれだと誰かが怪しまれないように侍医の部屋に入り診察をしてもらわなければいけないわよね? 私だと不自然だし…」
「サニー様がそんな危険な事してはいけません! 私が行きます! 侍医の先輩として話がしたいとか言って…」
チヒロの意見にサニーは微笑む。
「チヒロ、ありがとう。でも、あの侍医は単独行動だから下の者に優しくはしないわ」
「では、私が行くよ。私なら母上の息子だし、あの侍医とも面識があるからね。内緒で診てくれって言ったら大丈夫じゃないかな? 」
「カオ様、ダメですよ! もしバレたらカオ様がアリーン様に怒られてしまいます! それに、私もガフさんに怒られます! 」
カオの意見にルキアが反対する。
「でも、私が行くのが一番自然だと思うけど? ルキア、私の母上の事だ。息子の私が外からのんびりと眺めているだけなんて…私は嫌だ」
カオの意見にサニーも納得する様に頷いた。
「確かにカオが行くのが一番自然よね。いいか悪いかは別として」
「うん、私もそう思う! ルキア、いいだろ? 」
カオにお願いされてルキアは困った。
ガフにバレたら絶対怒られる。でも言ったら言ったで止められそうだし。
「ま、待って下さい! 私1人で決断なんて出来ませんよ! カオ様、お願いですからせめてアルフ様とガフさんの許可をもらって下さい! 明日には帰って来ますから! 」
「分かった、ガフ殿と兄上が許可したら良いのだな? 」
「良いかは分かりませんがアルフ様の意見も聞きましょう! ね? ね? 」
とりあえずカオが1人で暴走しないようにルキアはひたすらお願いをした。
(早く明日になってくれ! 俺一人じゃ重荷過ぎるわ…)
カオのやる気に、1人心の中でため息をついた。
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