「ここがガフ殿のお部屋なんですね？ 」 カオは部屋に案内されキョロキョロ見渡す。 「余り見ないで下さい。特に何もないですよ？ カオ様やアルフ様のお部屋に比べたら狭くて申しわけないです」 ガフの部屋はとてもシンプルで必要最低限の物しか置いていない。 「そんな事ないですよ。ガフ殿らしく落ち着くお部屋ですね」 「それならいいですが狭いですがソファにどうぞお座りになって下さい」 カオはソファに座りガフは反対側の椅子に腰をかけた。 カオは心の中でため息が出る。 毎回毎回呼ばないと近くに来てくれないガフ。たまには自分から来て欲しいと思っているカオだった。 「あの、ガフ殿。私達は恋人同士ですよね？ 」 「はい、私はそう認識しておりますが…」 「ならなんでそんなに離れてるんですか？ 毎回毎回呼ばないと来てくれないし！ 恋人同士はそんな距離があるんですか？ 」 不貞腐れ気味に文句を言った。 カオの言いたいことが分かったガフは、慌ててカオの隣に座る。 「すいません、そんなつもりは…このソファは小さいので2人で座ると狭いかと思って…」 「狭くても恋人ならくっつけばいいですよね？ それともガフ殿は嫌なんですか？ 」 拗ねた態度のカオにガフはフフと笑った。些細な事で気にするカオが可愛くて仕方ない。 「とんでもないですよ、緊張してるんです。この部屋にも入れたのはカオ様が初めてですし…」 「えっ？ アルフ兄上もですか？ 」 「はい、アルフ様は入ると色々漁るのでお断りしております」 ガフの言葉にカオの顔が綻ぶ。ガフが無闇に人を入れない人物だとは知っていたがアルフは入ってると思っていた。 「ガフ殿、凄く嬉しいです！ 」 「それは良かったですが…カオ様、余り危険な事には関わらないで下さいね。私が心配でたまりません」 ガフはカオの頬を触り心配そうな顔をする。 「ガフ殿、心配ありがとうございます。でも、兄上に協力したいのですよ」 「ハァ…兄弟揃って頑固ですね。何かあったらすぐ呼んで下さいね？ 」 「分かりました」 カオはそう答えてガフの目を見つめる。 ガフはカオの目に弱いと改めて気づいた。 この目に見つめられると自分の理性が、いとも簡単に負けるのが分かった。 「そんな顔をしないで下さい…」 ガフはそう言って頬を触っていた手をカオの腰に回す。グイッと自分の方へ引き寄せ、そのままキスをした。 何回かキスをした後ガフがゆっくりカオをソファに押し倒す。 「カオ様…」 ガフは少し濃厚なキスをしてきた。 カオは抵抗せず自分も舌を差し出す。 「ンッ…ハァ…」 途中途中で漏れるカオの吐息はガフを刺激するのに充分だった。 ガフはキスをしながら腰に回していた手をカオの服の中に入れた。 「ンッ…」 ピクッとカオが反応する。手の平でカオの肌を堪能しながら、カオの首筋にキスをしていく。 「アッ…ンッ…」 ガフの丁寧なキスが気持ち良く声が漏れる。 ガフがカオの服を脱がそうと腰に巻いていた紐に手をかけた。 その時… 「おい、ガフ！ 待たせたな！ 」 突然、扉が開いてアルフが顔を覗かせた。 後ろにはルキアがいる。 「ア、アルフ様！？ 」 「兄上！？」 アルフの登場にガフが体を起こす。 「おいおい、ガフ。私には早くと言ったのに自分の方がお取り込み中ではないか？ 」 アルフがここぞとばかりにニヤニヤしながらからかう。 「アルフ様、扉を突然開ける方が失礼ですよ？ 」 邪魔をされて珍しくガフが怒る。 「まさか、そんな事してるとは思わなかったんだ」 楽しそうにしているアルフにルキアが諭す。 「アルフ様、そんな事言ってはダメですよ！ 外で待ってましょ！ 」 ルキアがアルフの腕を取り外に連れ出す。 「コラ、ルキア！ いつも言われてるからたまには、私も…」 「ハイハイ、分かりましたから…ガフさん、カオ様、すいませんでした」 バタンと扉が閉まる。 ハァーと深いため息をしてガフが起き上がりカオの服を整える。 「カオ様、すいませんでした。鍵を閉めてなくて」 「だ、大丈夫です。兄上で良かったです」 「私は良くありません。カオ様の半裸を見せてしまいました」 ガフの言葉に一瞬意味が分からなかったが、理解した途端顔が赤くなる。 「そ、そんな…兄上とは良く一緒に裸で訓練してますし…ルキアは顔を逸らしていたので…」 「それでも私が嫌なのです」 ガフの独占欲に嬉しくなり、ガフの頬にチュッとキスをした。 「カオ様…」 「ほら、兄上が待っていますよ？ 早く行って下さい。私もルキアと計画の話を進めますので！ 」 「分かりました…」 ガフは渋々扉を開ける。 そこにはまだニヤニヤしているアルフがいた。 「お待たせ致しました。アルフ様、行きますよ！ 」 アルフをジロリと睨み先にスタスタ歩いていく。 「おい、ガフ！ 待ってやったのにその態度はなんだ！ 全く…ルキア、後でな」 アルフは慌てガフの後をついて行く。 残された2人は顔を見合わせフフと笑いあった。 「あの二人はいいコンビですね！ 」 「本当にガフ殿位だね、兄上にあれだけ言えるのは」 「そうですね」 「さて、ルキア。私の部屋で今後の話をしようか？ 」 ルキアとカオは2人の話をしながらカオの部屋に向かった。