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第64話※
「私に万が一の事があれば王位継承権一位のオーム王子に政権を任せる。その時、オーム王子が生存していなければ、フルーク王子、アルフ王子のどちらかを多数決で決める。で、ございます」
国防大臣の言葉に会場がざわめく。
1番驚いたのがフルークだ。
「ちょっとまて! それは本当なのか? 」
フルークが国防大臣の所に行き、手紙を奪い取る。
「これは本当に父上が書いたのか? 俺はこんなの認めないぞ! オーム王子だと? 」
フルークは怒りオームに詰め寄る。
「国王だぞ? 今まで休み休みだった兄上に務まりますか? 絶対無理だ! 辞退した方が自分の為だ! 」
フルークの言葉にオームは鼻で笑う。
「ふん、お前の方こそが国王に向いてるとでも言いたげだな? 」
「もちろんだ! 兄上より政務に関わってきたからな! 」
「長く関わったからと言って、才能がある訳ではない。私は父上譲りの才能があるのだ。短い期間でも身についたのはお前より上だ」
「な、なんだと! ! 」
オームの挑発にフルークは怒りを爆発してオームの胸ぐらを掴む。
「お止めなさい! 」
「母上? ですが…」
アリーンに止められ驚く。当然母親も反対だと思っていたからだ。
「フルーク、下がりなさい。陛下のお言葉に従うのです」
「母上? 本気ですか? 」
「もちろんですよ。あなたは怒りっぽいから、任せられません。オーム王子、いえ…国王陛下、息子が失礼致しました」
アリーンが敬意の挨拶をして頭を下げる。
「オーム国王陛下! 万歳! 」
『オーム国王陛下! 万歳! 万歳! 』
誰かの言葉と共に皆が声を出し、オームを称える。
「ほ、本気か? クソッ! 絶対、お前には政権は渡さないからな! 」
フルークは怒りの言葉を吐いてその場を去って行った。
アルフは冷静に今のやり取りを見ていた。
オームが国王になった事に怒らないアリーン、それを知らされていないフルーク。
何故アリーンはこのように事を進めているのか?
アルフはアリーンとオームの様子を見ながら、考えていた。
(あんなにフルーク兄上大好きだったアリーン様が、こんな仕打ちを兄上にするとは思えない。それともオーム兄上に本気で惚れて、息子なんてどうでも良くなったのか? いや、あの人は色恋で自分の野望を取り止めするような人ではないはずだ)
今までアルフの母親にやってきた行動を考えると、腑に落ちない。
(アリーン様の考えを先読みしないと、このままでは、政権を乗っ取られてしまう! )
アルフはガブに目配せし探るように合図した。
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その日の夜、旧執事家にアリーンとオームがいた。オームは酒を飲み上機嫌だ。
ようやく国王になれた。
今まで自分を腫れ物扱いにしていた奴達に仕返しが出来たと、喜んでいた。
「アリーン様、あなたの言う通りにしたら、国王になれた。あなたは私の女神だ! 」
アリーンを抱き締めながらオームは喜ぶ。
「私の言う通りにしたらなれると言ったでしょ? 私は本当の事しか言わないのよ」
「本当にフルークの顔を思い出すと、優越感に浸れます。今まで散々病人扱いされて、蔑まされてきた! 」
「その通りよ。本当にフルークは言う事聞かないので、困ってたのよ。やり込めてくれて助かったわ。ワガママに育てた私のせいね、ごめんなさい」
「それは、違いますよ。あなたのせいではない! 成人してからは本人の責任です! 」
「そう言ってくれるなら、嬉しいわ」
「それより、アリーン様。あの薬をもう少し下さい! 」
「えっ? こないだ上げたばかりよね? 」
「そうなんですが、最近薬の効果が短くて量を増やしたんです」
「そう…わかったわ。でも飲み過ぎると良くないわよ? 」
そう言って、オームに薬を渡す。それを酒と一緒に飲み干し、高揚感に浸っている。
アリーンはその様子を見て微笑む。
「はぁ…美味い! これを飲むと元気がでる。あの薬のお陰で私は元気になれたんです! 飲めば飲むほど、私は強くなる気がする。それに、こうやってあなたを抱く事も出来る」
オームはアリーンの首筋にキスをする。
アリーンも自分からオームにキスをし誘う。
「ンッ…今日は余り時間がないから、早く…」
アリーンの誘いの言葉にオームは興奮が抑えられない。
急いでアリーンのドレスを脱がすと、ベッドに押し倒す。
アリーンにキスをしながら、乳房を握る。
「アッ…オーム…これよ…あなたの力強さがいいの…アッ…」
「アリーン様…」
アリーンの乳房をむさぶるようにかぶりつく。
乳首を舌で転がしながら、手はアリーンの陰部に素早く滑りこませる。
既に濡れてるそこはオームの指を直ぐに受け入れる。
「アアッ! いい…ンッ…アッ…もっと…」
指を2本、3本と増やし、中を掻き回す。
指を入れたまま、アリーンのクリに吸い付く。
「アッ! そ、そんな…アッ…アッ…ンッ…」
指を動かしながら、舐められアリーンは気持ちよさに腰が浮く。
「もう…お願い、早く入れて…」
我慢出来ずオームのを握り自分から上に乗る。
「ア、アリーン様…クッ…」
「アアッ…いい…奥まで…アッ…アッ…下からついて…アッ…アッ…」
アリーンの要望に答える。オームは激しく腰を突き上げ、アリーンの乳房を握る。
「アッ…アッ…ンッ…アッ…オーム…アッ…愛してるわ…ンッ…」
「アリーン…様…フッ…私も…あなただけです…」
「アッ…ンッ…一緒に、国を率いましょう…アッ…私の言う通りに…アッ…してれば間違いないわ…アッ…」
「もちろんです…私はあなたの物です…」
アリーンの甘い声はオームの全身を支配し、冷静な判断が出来なく、アリーンの言葉になんの疑いもなく従う。
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