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第84話※
ベッドでフルークが激しく息をする。
「おい、もういい加減入れろ! ハァ…ハァ…どんだけ慣らすんだ? 」
「し、しかしフルーク様に痛い思いをさせるのは…」
「もう…いいから…アッ…ンッ…」
ファーストに執拗に後ろを指で広げられ、息も絶え絶えになる。
どんだけやる気だ! イライラしてきた。
「フルーク様…大丈夫ですか? 」
心配そうに聞いてくるファーストを押し倒す。
「もう大丈夫だ! やはり俺が下は気に入らない! お前が寝てろ! 」
そう言うとファーストに跨り、そそり立つファーストのを自分に入れていく。
「フ、フルーク様…アッ…」
「フゥ…どうだ? やはり、見下ろすのは気分がいいな…ンッ…」
上から見下ろして満足そうな顔をする。
その高慢な表情はファーストを刺激するのには十分だった。
「き、気持ちいいです…フルーク様、動きますよ? 」
フルークの腰に両手を抑えゆっくりと下から突き上げる。
「アッ…アッ…ンッ…いい…ファースト…ンッ…」
ファーストの名前を呼びながら、気持ち良さそうにするフルークに、ファーストは理性も壊れ激しく動きだした。
「フルーク様…すいません…クッ…」
「アッ…そんな…急に…ンッ…ンッ…動くな…アッ…」
激しく突き上げられフルークも声が高くなる。
「ファースト…ンッ…前も…アッ…握れ…ンッ…アッ…」
「はい…」
命令通り、前も握り上下に動かしながら、腰を突き上げる。
両方からの刺激で、フルークか快感でイッてしまう。
「アッ…アッ…いい…イク…アッ…アッ…ンッ…ファースト…イク…アッ…アアッ!! 」
「はい…私も…もう…クッ…」
ファーストも最後に強く突き上げ、イッてしまった。
ハァハァとファーストの上にフルークが倒れ込み、ファーストの胸で激しく息をする。
「ハァ…ハァ…」
「フルーク様、大丈夫ですか? お水お持ちしますか? 」
フルークの激しい息遣いに心配そうに聞いてくる。
「いちいち聞くな。大丈夫じゃ無かったら自分で言う。とりあえず、ここで落ち着かせろ」
ファーストから離れないフルークを、愛しそうに見つめ抱き締める。
「フルーク様、一生お傍を離れません。愛しています」
ファーストの言葉に満足そうな表情を浮かべ、そのまま眠りにつく。
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国王認定式当日。
宮殿内の皆が集まり、アルフの国王になるのを見届けている中、前国王がアルフに王冠を授与している。
ルキアはその光景に目を潤ませる。
(長かったな…ようやくアルフ様が国王になった。本当に嬉しい…でも…)
ルキアは不安だった。
このゲームはアルフを国王にするのがミッションだ。
これで完結した筈だがルキアの前には何も指示が現れない。
ルキアがここに居たいとわかり、ゲームも終わってしまったのだろうか?
何も起こらない事に不安と安心が行ったり来たりしていた。
「アルフ国王陛下万歳! 」
「万歳! 」
「万歳! 万歳! 」
王冠を被ったアルフに皆が手を上げ万歳をしている。
その中で、アルフはルキアを呼ぶ。
壇上に上げるとルキアを抱き締めた。
メイド達から一斉に歓声が上がる。
サニーも飛んで喜んでいる。
「ルキア、お前のお陰だ。お前は、私の宝物。一生傍にいてくれよ」
そう言うと皆の前でルキアにキスをした。
「アルフ様…ありがとうございます」
ルキアも嬉しそうに、笑顔になる。
その顔をアルフは一生忘れなかった。
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皆の祝いの言葉に一通り答え部屋に戻ると、アルフとガフは一息つく。
「ガフ、ルキアはどこに行った? 」
「先程具合いが悪い者がいて、ヨリム殿と一緒に診察に行きました」
「そうか、戻ったら部屋に来るように言ってくれ」
「かしこまりました。でも、程々にして下さいよ。皆の前で宣言したのですこら、一緒にいると政務をしてないとからかわれますよ? 」
「お前に言われたくない。お前だって父上の前でプロポーズしたから、宮殿内皆に知れ渡ってるぞ? 」
「私はアルフ様と違って、仕事中にイチャイチャはしませんので」
ガフの言葉に舌打ちをする。
自分の方が常にルキアにベッタリしてる自覚はあったからだ。
「フン、ちゃんと政務してれば文句は言われないよ」
その時、扉をノックしてヨリムが顔を見せた。
「どうした、ヨリム? 」
「アルフ様、ルキア来てますか? 」
「お前と一緒じゃないのか? 」
「それが診察に向かってる途中、急に居なくなって、アルフ様の所に来てるのかと思って尋ねたのですが…」
「なんだって? 居なくなった? 」
アルフは顔が強ばってガフと見合わせる。
「ガフ、ルキアを探せ! 」
「はい! 」
急いでガフが部屋を出ていく。
「ヨリムも心当たりを探してくれ」
「は、はい。わかりました! 」
ヨリムは何故2人が慌ててるのか分からなかったが、急いで宮殿内を探す事にした。
しかし夜になってもルキアの姿は発見出来なかった。
アルフの部屋にはカオも来ていた。
「兄上、まさかルキア…元の世界に戻ったのですか? 」
「分からない…そんな素振りは見えなかったが…まさか…」
アルフは肩を落としソファに座る。
「もし、ゲーム上強制的に戻る事になっていたのなら、ルキア殿もそれがいつか想像出来なかったのでは…」
「そうかもしれないが…突然すぎるではないか! 他の選択肢は無かったのか! クソッ! 」
アルフは怒りを爆発させた。
「アルフ様! 大変です! 」
ヨリムが言葉と共に部屋に入って来た。
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