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第11話 護衛?

「おう、オレも14歳の時に冒険者ギルドに登録したんだ。お前もやってみるか?」 コク、と力強く頷いた。 「やってみろ。オレの子だ、いつかはそういう事を言い出すかも知れねぇと思って剣術だって習わせたんだ。好きなようにやってみりゃぁいい」 ゲームの中で、冒険者ギルドには通い慣れてる。 本当に戦った事はないけど、剣術や初歩の魔法は一応習ってる。やってみるだけやってみたっていいかも知れない。新しい可能性に、オレは目の前が急に開けたような感覚だった。 「おっしゃ、思い立ったが吉日だ。今日のうちに諸々話は通しといてやる。あした、学園から戻ったらワートに声をかけてくれ」 *** 翌日、学園から帰ったオレはお父様の言いつけ通りに執事のワート爺に声をかけた。 「話は聞いておりますよ。こちらへ」 ニコニコと優しく笑ってワート爺が案内してくれたエントランス横の小さな談話室に向かうと、そこにはオレよりニ、三歳は年上だろう快活そうなお兄さんがいた。 「おっ! ホントに真っ赤な髪だなぁ。こりゃあ目立ちそうだ」 お兄さんは、オレを見るなりそんな事を言って来る。確かにオレの髪はお父様譲りのハッとするような赤髪だ。ちなみにゲームの紹介文では『その苛烈な性格に相応しい赤髪』と表記されていたから、オレのイメージカラーなんだろう。 「ウルク様、こちらは本日よりウルク様の護衛に付きます、グレイグです。冒険者登録から採取作業まで流れもグレイグがレクチャーしますので、分からない事や不安な事はどんどん聞かれると宜しいでしょうな」 「護衛……」 「はじめまして!」 「はじめまして……」 グイッと突き出された手に、思わず握手する。 「うわぁ、ちっこい手だな。あ、でもちょっと剣ダコはあるか……?」 「うわぁ!?」 ニギニギと手を触られて、思わず警戒の声が出た。 「やってたのは剣だけ?」 「あ……魔法、もちょっとだけ……」 勢いに押されて返事をしてはみたものの、何がなんだか分からない。 「そっか。あんま時間ないから、話はギルドに行きながらするよ。勉強道具おいてついて来いよ。あ、防具は途中で買うから、服はそのままでいい」 チラ、とワート爺を見上げたら、優しく微笑んで頷いてくれる。差し出されたワート爺の手に勉強道具を渡したら、ワート爺は懐から綺麗なネックレスを取り出して、オレの首にかけてくれた。 「こちらは、お館様のお下がりだそうですよ」 「お父様の……」 「身を守る加護がついているのだとか。大切になさってください」

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