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第21話 試したいものがあるんだ

そして翌朝。 サンプルをマジックバックに詰め込んで、学園へと向かう。 うずうずしながら授業を受けて、終業の鐘が鳴るとともに教室を飛び出して、騎士科のグレイグの元へと走った。人がバラバラと出てくる教室の中を覗くと、グレイグはちょうど席を立ったところだ。 「グレイグ!」 「おう、ウルクか。早いな」 「早く採取に行きたくて! 行こ!」 急かすオレを見て苦笑したグレイグは、それでもすぐに準備してオレに付き合ってくれる。お父様が護衛として付けてくれて本当に感謝だ。 歩きながら今日はグレイグでもちょっとてこずるくらいの場所に行きたいと相談してみた。もちろんグレイグは不思議そうな顔をする。 「俺でもてこずるくらいの場所って言ったら、お前にはまだ早いよ。少しずつレベルも上がってるから、今日はいつもの草原よりちょっと奥の、森の入り口あたりで採取したらどうだ?」 「ふふーん、今日はさ、ちょっと試したいものがあるんだよねー」 ジャーン! と効果音をつけるくらいのつもりで、マジックバッグから取り出したポーションをグレイグの目の前に差し出した。 「うわ、急に目の前に出すなよ。で、コレなに?」 「ポーションだよ! ラベル見て、ラベル」 「ラベル……?」 オレに言われるままじっとラベルを見たグレイグの目が、次第に見開かれていく。アールサス様の才能に、恐れおののくがいい! 「え、まさか……このラベルに書いてある効果があるってのか? ポーションに?」 「そう! 極秘に入手したこの素晴らしいポーションをぜひ体感してみたいんだよね! オレは草原でもそれなりにケガしたり疲れたりできるけどさ、グレイグはいつも物足りなそうじゃん。ケガなんてもちろんしないし」 「いや、そりゃまぁそうだけど、わざわざそのためにお前を危ない目にあわせるわけにはいかねぇだろ」 「でも、生の体感が欲しいんだよ。売ってる人がいくら『すごいよ』って言ってもさ、そうそう信じられなくない? 生の感想での口コミが欲しいっていうか」 「そりゃそうだが、それこそ俺じゃなくて普通に冒険者たちに試して貰えばいいだろ」 「うん、信頼があって、きちんと意見をきかせてくれそうな人に無料で配って試して貰おうと思ってるんだけど、その前にまずはグレイグに試して貰った上で頼んだ方がいいかなって思ってさ」 「無料なら大丈夫だろ」 「オレみたいなぺーぺーの話、聞いてくれるかな。普通さ、信頼がないヤツが持ってくる薬なんて怖くて飲めなくない? 怪しさ満点じゃない?」

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