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第25話 冒険者ギルドへ

「そんなにあっさり認められちゃ、どうしようもねぇじゃん。分かったよ、俺が居て良かったって思って貰えるように、しっかり守ってやるから安心しろ」 「うん! グレイグの事は信頼してる」 なんせお父様が雇ったくらいだし。 ここ数日色んな事を教わって、なんなら『師匠』って呼びたいくらいだし。 信頼してるよ! という気持ちを表すために、にこーっと精一杯笑って見せたら、なぜか吹き出された。 そのまま二人でくだらない話をしながら冒険者ギルドに行って受付に進むと、受付の巨乳色気ムンムンなおねーさんから、上階へ行くように指示される。 「ギルドマスターがお呼びよぉ。何したの?」 びっくりした。 まさか、オレ達が移動してる間にもう話がいってるの? そんな事ある??? 「少なくとも悪い事はしてないっすよ。な、ウルク」 グレイグがそう言って笑ってくれたから、オレも大きく頷いた。 「うん! 今日はお願いがあって来たから、多分その事だと思います」 そう言い置いて、グレイグと一緒にさっさと上階へ向かった。後ろでは「お願い?」「ギルドマスターに?」「何しでかすつもりだ?」とコソコソ会話がなされている。 ヤバい。めちゃくちゃ目立っちゃったかも知れない。 重厚な扉をノックしたら、「入れ」とドスの効いた声で言われた。ショーンさんはクールだけど全体的に優しい印象。でも冒険者ギルドのギルドマスターは声だけでも怖い。 「失礼します……」 ちょっとビクつきながら扉を開けると、熊みたいな大男が厳しい顔でこちらを見ていた。声だけでも怖いけど、顔と体を見るともっと怖い。 「おう、そこ座れ」 「はい……」 指差された重厚なソファにちんまりと二人並んで座ると、向かいにギルドマスターがドスン! と座った。向かいに座ってるオレたちまでちょっと揺れた。 「ショーンに聞いたぞ。爆弾みてぇなの持ってきたらしいじゃねぇか」 太い眉がグイッと上がって、ニヤリと笑う姿は大変恐ろしい。上品な顔立ちばっかり見てきたオレにとっては、お父様よりもさらにでっかくってムッキムキで、髪も髭も真っ黒でゴワゴワで、所作も乱暴なギルドマスターは本能的に怖いのだ。 とって食われちゃいそうなんだもん。 「爆弾って……ポーションなんですけど」 マジックバッグからまたひとつポーションを出してギルドマスターに手渡す。 「ほぉん」 不可思議な鳴き声を上げながらポーションを睨んだギルドマスターは、キュッと蓋を開けるとちょっとだけ匂いを嗅いでから、グイッと一気に中身を飲み干した。

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