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「⋯⋯私にとっては、あなた達の方がとっても可愛いですよ。お母さまと呼ぶ声、二人で楽しそうに庭を駆け回る姿、一生懸命に絵を描いたり、読み聞かせをせがんだり、嬉しそうに食べたり⋯⋯。今もこうして、無邪気に抱きついてくるのも、愛おしくて仕方ないのです。⋯⋯本当に、無事に産まれてきてくれて、良かった」
存在を確かめるように小さな宝物を抱き寄せて、擦り寄せた。
産まれた時は、この腕にすっぽりと収まるほどの小さくて、柔くて、触れたら傷つけてしまいそうだと思っていた子達が、今はずっしりと重みを感じられる上に、あっという間に大きくなっていた。
産まれてから片手で数えられる年齢だけれども、それでも産まれた時と同じく、ここまで元気にいてくれていることに、嬉しくてたまらなくなる。
これからもこの子達の成長を見守っていけたら。
「さて。いつまでもこうしている場合じゃないですね。お着替えしましょうか」
「「うん、おきがえー!!」」
パッとほぼ同時に離れると、布団のそばに置いてあった着物を取って戻ってきた。
「「おきがえしてー!!」」
同時に着物を差し出してくるが、いかんせん一人しか相手できない。
静観していた碧人に声を掛けるが、「おかーさまがいい!」と言われてしまった。
いつものことだが、やっぱり自分がやらないとだめなのかと思いつつ、「じゃあ、順番です」とまずは新を着替えさせた。
言うことを聞かなくて苦戦したこともあった着替えは、今では二人が率先とさせてくれる。
そのことに関してはいい子だと思うが、その間はどうしても一人を構ってしまい、もう一人がグズり始めてしまうものだから、さっさと着替えさせないといけない。
そんなことがあるものだから、早着替えをさせるのが得意になった。
「はい。出来ましたよ」
真の方もすぐに着替え、腹部辺りをポンっと叩くと、「ありがとー!」と二人はニッコリと笑った。
「きょーも、おとーさまとおそろい!」
「まーは、おかーさまとおなじ!」
二人は向き合って、見せ合っていた。
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