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9.
横抱きをして、連れてこられた洋式トイレに丁寧に座らされた。
「葵。見えるように足を大きく開いて」
優しくそう命令される。
"この時"が来てしまった。
恐る恐る浴衣の裾と共に足を大きく開いた。
触れる外気とこれからされる嫌気と早くして欲しいとの中に、僅かな期待を入り混ぜた震える足の間には、ステンレス製の貞操具に覆われていた。
貞操具は、前にもされていたことだから変な話、若干慣れてしまったというのもあるが、前のと違い、今回のは竿の形に覆うタイプではなく、丸い鋼鉄に押し潰され、見た目はまるで女性器のようにされていた。
辛うじて男の象徴だと分かるのは、玉袋が剥き出しになっていることか。
「最後に排尿したのは、昨日一緒にお風呂に入った時だよね。夜中に行きたくなった?」
「う、ううん······っ。朝、起きた時······」
「そう。じゃあ、そこそこ溜まっているかな······」
本来ならば陰茎がある部分を、ステンレス越しに指先で触ってくる。
その触り方がじれったい。早く貞操具を外して出したい。
「ほら、葵。出してもいいよ」
尿道部分に栓をされているため、しかし、自分で勝手に抜くわけにもいかなく、いつものあの言葉を言わざるを得ない状況になった。
「······あ、あお······」
「ん?」
「······お、おしっこ······一人じゃ出来ないの······碧人さん、手伝って欲しい」
出したいなんて曖昧な言葉を言ったことがあったが、わざとらしく通じてない振りをされ、こうして直接的な言葉を言わされる辱めを受けている。
頬が一気に赤くなるのを感じながら、懇願する目で見つめていると、碧人が嬉しげに笑った。
「二人も子どもがいる母親なのに、小さな子どもみたいだ」
恥ずかしさが頂点となり、じわっと涙を浮かべる葵人を慰めるように頭を撫でてくれた後、尿道に挿入 れた栓を手にかける。
やっと出せると、嬉しくて足を震わせる葵人の気持ちを知ってか知らずか、突として、一気に引き抜かれた。
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