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18.※スパンキング

頭上から突き刺さる言葉に、命令に背いてしまったと、ただ小さく謝ることしか出来ず、震える手を組み直した。 「全く、世話の焼けるいけない子だ」 「あっ! あっ、あっ! いっ!」 出来るだけ声を抑えたいのに、それをわざとそうさせるように一回一回叩く手を強める。 痛い。痛い。けれども、無慈悲に叩かれているうちに、その感覚に慣れてきてしまっている自分がいる。 長年この体に愛おしかった人の手によって、その痛み()が刻まれてきたことが要因なのだろう。 その痛みが快感に変わってしまった時、猫のように甘えた声を上げてしまっていた。 「葵、何その声は。痛がっているというよりも、もっと叩かれたいと思ってる⋯⋯?」 「ん······んぅ······」 臀部に添えられた碧人の手に、もっとして欲しいと腰を緩く振る。 「葵が望んでいるのならいいけど」と撫でてくる。 それが腫れている臀部がさらに敏感となっているせいなのか、腰が浮いてしまいそうなほど反応している。 貞操具がなければとっくに達してしまっている。 「······けどね、葵。子ども達が起きているんだよね」 硬直した。 急いで見ると、たしかに二人が起き上がって、寝ぼけ眼な目を擦りながらこちらを見つめていた。 血の気が引いていく。 「な、なんで言わないの!」 「そもそも葵が自身を慰める行為をしなければ、お仕置きされることはなかったと思うけど」 「······っ」 正論を言われ、ぐっと押し黙ることしか出来なかった。 ともかく、「おかーさま······」と寂しそうに甘えた声で呼ぶ二人の元へ行こうと、手を着いて立ち上がろうとするが、手が離れようとしない。 「何をしているの」 「手が離れないの······っ。なんで······」 手に力を入れて離そうとするものの、接着剤でくっつけたかのようにぴったりとしたままだ。 半ば焦っていると、碧人は「ああ」と妙に納得した声を上げた。

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