20 / 27
20.
天に昇るような気持ちよさを覚えたが、気持ちが冷めていくのと同時に、終わってないお仕置きがあることを思い出してしまい、そう言った意味でも落ち着かない。
「おかーさま、あわあわはもういいの?」
こちらを向かせていた真が首を傾げてくる。
体を洗ってあげている最中、手が止まっていたようだ。
「もう少しですよ」と取り繕い、泡立てる。
「さぁ、シャワーで洗い流しましょうね」
「ねー、おかーさまはあわあわはいいの?」
いわゆる洗いっこをしたいのだろう。
してもらいたいのは山々だが、下腹部は誤魔化せても、特に乳首なんて見られたら、どう言い訳をすればいいのか。
せめて背中だけでもしてもらおうかと、「お願いしますか」とタオルを取ろうとした時、「ダメだよ」と遮られた。
「お母さまを洗うのは、お父さまがやることだから」
隣で新のことを洗い流していた碧人が、「そうでしょう?」と同意を求めてくる。
やはり、このことも許してくれない。
「そう、です。······ごめんなさい、真」
「まーは、したかったな······」
いじけてしまった真にもう一度謝り、流してあげた後、「これで許してください」とぎゅっとしてあげた。
「あーも、だめ?」
「そうだね」
「どーして?」
「お母さまと二人だけでお話もしたいし、愛を深めたいからね」
「あいー? ぎゅってするってこと?」
「そうだよ」
碧人が頭を撫でてあげると、「ふーん······」とどこか納得してない新の声が聞こえた。
葵人一人で二人を洗うのは大変だろうという建前の、この体に触れさせないというのが本音なのだろう。
風呂場でさえ、手袋をさせられたままなのだから。
ともだちにシェアしよう!