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第18話
「もう三日だけどおめでとう」
「おめでとう、実家ではゆっくりできたか? 実家で正月過ごすの久しぶりだったんだろ?」
「うん、ゆっくりできた。食べてゴロゴロするだけの怠惰な正月だったよ」
「日頃忙しいんだから、正月くらいいいよ。お母さん、会ってくれるんだな」
「うん、来週の日曜だからもうすぐだよ。取り敢えずは順調に進んでるのかな」
「ああ、そう思うぞ。電話でも話したけど頭から反対なら会ってはもらえないと思う。俺はありがたいと思ってる。後は真摯にお願いするだけだ。俺の事認めてもらえるといいんだがな」
「うん、なんとなくだけど上手くいきそうな気がする」
「俺もだ。有希のお母さんだから、俺の真剣な思いは分かってもらえるかなって思う」
敬吾は有希を抱きしめた。電話は毎日するが直接会うのはクリスマス以来だ。久しぶりの有希の感触、匂い……まだ昼間なのに身の内に熱いものが湧き出る。有希の頭から項をなでながら唇で耳朶に触れた。
「有希……」耳に息を吹き込むように囁いた。
有希も敬吾に抱きしめられ、この腕の中にいる心地よさに喜びを感じていた。このまま抱かれたかった。しかし有希の場合道徳観と羞恥心が先に立つ。
「有希、いいか? ベッドに連れて行きたい」
「で、でもまだ昼間だよ」
「いいじゃないか正月だよ」
「正月だからって……そんな理屈……って」
まだ何か言いたげな有希を敬吾は強引に寝室に導いた。こんな時は強引に進めるに限る。それが有希との交際で得た結論だった。
性急に服を脱がし下着姿にした有希をベッドに寝かせた。自分も手早く下着だけになり上から有希の顔を見下ろす。
「嫌か?」
上目遣いの有希が僅かに目を逸らす。幾分上気している顔が何とも言えない色気を醸し出す。
「嫌じゃないだろ?」
僅かに頷いた有希の顔を敬吾は愛撫していく。吐息で擽るように、唇で食むように。有希は耳朶の愛撫に弱い。有希の感じるそこを敬吾は優しく、だが執拗に攻める。
「んっ……ああっつ……」
有希が喘ぎ声を出すが、まだ理性は残っているようだ。敬吾は下着に手を入れて既に立ち上がった有希の尖りを弄ぶ。下着を脱がすと可愛いらしい尖りは赤く色づいている。舐めて吸って舌先で転がすように愛撫する。
敬吾の愛撫は有希の全身を痺れさせ、辛うじて残っていた有希の理性を蒸発させた。
「ああん……あっあー、ああーんっ」
甘い声で啼き始めた有希のそこに手をやると、はち切れそうに昂っていた。
「ここどうして欲しい?」
「焦らさないで……して……」
「だからどうされたい? 手でか? 口でするか?」
「く……ちで……して」
「いい子だ。望み通りたっぷり可愛がってやるぞ」
敬吾が有希の下着を脱がすと、有希の昂ぶりは反り返り溢れる雫で濡れそぼっていた。先端に口づけそのまま口に含むと有希の身体が震える。熱い口腔に含まれると全身が燃えるように熱い。
根元から先端まで、柔らかな舌で扱かれる。同時に先端の割れ目や、くびれの部分を刺激される。敬吾の絶妙な舌技に有希は背筋を反らせながら何度も首を打ち振った。強すぎる快感に打ち悶え甘い声で啼き続けた。
「ああーっ、もっ……駄目……で、で出るからーっ」
敬吾の絶妙な舌技になすすべもない有希は、意識が飛ぶほどの激しい快感の中で敬吾の口に白濁を放った。頭が真っ白になり全身が弛緩した。
「気持ち良かったか? ここはどうする?」
そう言って有希の尻を撫でる。そうされただけで有希の窄まりはきゅっと反応し中が疼く。
「うん……欲しい」
「何が欲しい?」
いつもは優しい敬吾だが、ベッドでは意地悪くなる。有希が何を望んでいるか知っているのに言わないとしてくれない。
「……敬吾さんの……入れて」
「俯せになって」
敬吾はローションを掌で温めて有希の窄まり塗り込んでいく。優しくマッサージするように解していく。有希は羞恥と心地よさがないまぜになり枕を抱きかかえた。敏感な部分を撫でるたび、有希の身体が揺れ、甘い吐息を漏らす。
敬吾もベッドに身体を横たえて有希を横臥状態に抱き寄せた。蕩けるような甘いキスを与えながら、敬吾は有希のそこに指を入れる。すっかり綻んだ窄まりは敬吾の指を呑み込んでいく。内側を擦られる感覚が心地よかった。
「大丈夫か? 指増やしていいか?」
「うん、大丈夫」
二本に増えた指が、内壁を刺激した。震えるような快感に襲われ有希は身悶えた。
「だめっ……いや……」
「いいの間違いだろ、こんなに蕩けて俺のを待ちわびてるみたいだぞ」
「……うん、きて……早く……」
敬吾は起き上がり再び有希を俯せにした。敬吾を受け入れやすいように足を開き、腰を少し上げさせる。敬吾は熱く昂った自分のそれを有希の愛らしい窄まりに入れていく。そこは敬吾の形を覚えていて難なく受け入れていく。
「ああーっ……ああーん……」
有希が甘い声で啼く。敬吾は力強い抽挿で有希のそこを果敢に攻め上げた。奥まで一気に突き入れ、ゆっくりと引き抜く。何度も繰り返すと次第に有希の上体は崩れ、腰だけ突き出す格好で敬吾の挿入を受け止める。
「ああっ……ああっ……敬吾さん……いいっ」
枕に頬を落とし、シーツをつかんだ有希が喘いだ。
「有希、そんなに俺を煽っていいのか?」
敬吾に激しく求められている、それが有希には嬉しい。もっと求められたい、敬吾の全てを受け止めたい。有希は貪欲に敬吾を求めた。
「……いい、も、もっと……」
動きを止めた敬吾に、有希は焦れたように腰を揺らす。敬吾は両手で有希の腰をしっかりと固定して、激しい抽挿を再開した。強く揺さぶられ目眩がする。
凄まじいまでの快感に襲われ、有希の心は満ち足りていた。敬吾の愛で全身を包み込まれているようだった。
「有希っ……有希……いくっ……」
敬吾の声が聞こえた。愛する敬吾が達したことを知った瞬間、有希も意識を手放した。
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