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第17話 セックスもできる親友

「ああっ……章吾っ、それやめてっ、おかしくなるっ」 「指、増やすよ。もっと足広げて」    仲里の訴えは無視して、ひたすらそこをめざして突くように擦ると、仲里は頭を左右に振って喘ぎ始める。   「あう、やだ、あああっ、やめっやめ、ひっ、章吾っ、イヤだっああ」 「もう少し。もう少し我慢したら、これ、挿れるよ」    すでに臨戦状態の自分のモノを仲里の身体に擦りつけて、予告する。   「そ、そんなことしたら、壊れ……ひあっ」    指をさらに増やしても、仲里の表情は痛そうじゃないな、と沢田は確認する。  どう見ても快感と戦っているようにしか見えないような、可愛い喘ぎ声だ。  念のためにローションを足して、ゼリー付きのコンドームも装着した。  大きく足を開かせるように膝裏を抱えあげると、我慢も限界が近いそそり立ったモノを入り口に突きつける。   「しょ、章吾っ、怖いから、ゆっくり」 「大丈夫。力抜いて。痛かったら言って」    これほど無責任な大丈夫はないだろう、と仲里は泣きたくなったが、次の瞬間にずぶり、と固いものが突き刺さる。   「あ、あああっ! 章吾っ章吾っ」    思わず伸ばした手をぎゅっと握り返され、熱く固いモノは一気に押し込まれていく。   「痛くない? 大丈夫?」    心配そうな優しい声に、仲里は胸がぎゅっと苦しくなった。   「だい、じょうぶ……」    痛くはないが、なぜだか、身体の震えが止まらない。  沢田は優しく仲里の唇にキスを落とすと、目のふちをペロっと舐めた。   「泣くと思わなかった」 「泣いて、ない……」    指摘されて急に、仲里の目からぽろぽろと涙が零れ落ちる。   「おい、忍っ、辛いのか? だったら、やめても……」 「違う、なんか、安心して……だって、ずっと、追いかけても追いかけても、お前、逃げるしっ」 「な、泣くなって。まいった。泣かないで」    おろおろと沢田がなだめると、仲里はますますしゃくりあげる。   「お、俺だって、好き、って言おうと思って、た、のにっ、ひっ、に、逃げてっ」 「泣かないで、頼むから。逃げません。もう、絶対離さない。誓うっ!」 「章吾ぉ……」    合体したこの状態でどうしたらいいんだ、とよしよし、と仲里の頭をなでながら、沢田の胸はドキドキしまくっていた。    やばい……  忍がこんなに可愛いなんて、もう反則ワザだ。  あんなに日頃つっけんどんなやつが、俺のこと好きっていいながら、泣くなんて。  どんだけ男心をそそるんだ。    よかった……間に合って。  こんな忍を他の男になんて絶対に見せたくないぞっ。   「あ、ひあ? しょ、ご、大きくなった」 「お前が、そんな可愛い顔して泣くからだろ」 「だ、ダメって、広がっちゃ……ああっ」 「だから、そういう可愛いこと言うなってば」    我慢できなくなって、沢田が腰を揺すると、仲里の下半身がびくん、と反応する。   「気持ち……いい? 忍」    ゆっくりと引き抜いて、ゆっくりと奥まで押し込むと、仲里がなんともいえない恍惚とした表情を浮かべた。   「すごい、こ、す、れる……あっ、すごいっ」 「ここか? 気持ちいい?」 「ああん、章吾の、当たってる、そ、そこっあああっんん」 「忍、イかせてやる」    キスをしながら、少しずつ強く突いてやると、仲里はしがみついて声を上げた。   「いいっ、ああっ、や、あ、すごい、ダメっあああっ、イクイクっ、も、イクっ」 「忍、可愛い。もっと声聞かせて」 「あ、や、回しちゃ、ああっ、イク!」    ぐるり、と中を抉るように腰を回すと、触れてもいないのに仲里は精液を飛び散らせた。   「あ、あ、イってる、ま、まだ、イクっ、や、やめて、やめ、いや、いやあああ!」 「俺がイクまで待ってて」    あわてて沢田がずくずくと本気で腰を打ち付けると、泣き叫ぶように仲里が高い喘ぎ声を上げてのけぞる。   「やあああっ、まだイクっ、ど、どし、て、こんな、ああっ」 「忍っ、俺もイクから」 「しょ、章吾っ、も、ダメっ、早くっ、俺、壊れるっ」    ずん、と奥まで貫いて思い切り沢田が達すると、仲里はぐったりと目を閉じた。  つながった場所がひくひくと痙攣している。    薄く開いた唇にキスをすると、仲里は力なくペロっと沢田の唇を舐めた。  デジャブだ……  あの時も、こうやって忍は俺の唇を舐めたっけ、と沢田は仲里が泥酔した時のことを思い出す。   「章吾……俺とセックス、良かった?」    たどたどしい言葉をつむぎながら、仲里が抱きついてくる。  何を不安がることがある。  こんなに可愛い男は見たことないぞ。  最高だ。    俺は世界一の幸せものだ!  もともと死ぬほど好きだと思っていたが、今はその何倍も好きだ。  身体を離して腕枕をしてやろう、とすると、仲里が手足を絡ませてしがみついてくる。   「や、抜かないで……も、ちょっと」 「ん? まだ足りない?」    ゆるゆる、と沢田が腰を振ると、仲里の表情がまた恍惚とし始める。   「章吾……また、固くなった……」 「知らないぞ、さっき怖いって泣いてたのはどこの誰だっ!」    ずぶり、と突っ込むと、仲里が甘い悲鳴を上げた。    仲里にとっても、嬉しい誤算だったのだ。  どう見ても自信なさげに見えた沢田のセックスは、実は極上だった。    問題は消失した。  結局のところ、二人の間にあった問題はたったひとつだった。  セックスができるかどうか、だ。    できるとわかったら、関係が親友か恋人か、などということはどうでもいいことだ。  俺は、セックスもできる親友、ということでもいいだろう。

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