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そんな時、びゅうっと一瞬強い風が吹いた。
「うぅ〜、さむっ!」
「さむいよ〜」
ぶるぶると震わせ、身を寄せ合う二人に、さらにぎゅっと抱きしめながらも、もうそんな時期なのかと思った。
自分もそうだが、いくら暖かい格好をしていても、そろそろ手や首元も暖めないとより寒く感じられるだろう。
室内にいることが多かったため、失念していた。
碧人に頼んで、マフラーを買ってきてもらおうか。いや、この子達のなら、自分の目で吟味して買いたい。
そうと決まれば、覚悟して碧人と向き合わないと。
「新、真。そろそろ暖かいお家に入りましょうか」
「えー、まだおそとであそびたいけど⋯⋯」
「また明日にしましょうね」
「ねぇねぇ、おかーさま! おちばもっていってもいい?」
「いいですけど、何をするのです?」
草履を履き直した真が散らばった色とりどりの落ち葉を拾い集めるのを、何かをするのを分かった様子の新が、「あらたも、おなじのやりたい!」と言って、葵人の腕から離れ、一緒になって集めていた。
その様子を見守っていると、片手で持てるほどの落ち葉数枚を掲げた。
「これでねー、かみにはって、おとーさまにあげるの!」
二人の父親でもある碧人は、"仕事"が忙しいらしく、なかなか一緒にいることが出来ない。
それでも、父と慕っている子どもが愛らしく、顔が綻んだ。
「あらあら、そうなのですか。きっとお父さまは喜んでくれるはずです」
「あらたのはー、おかーさまにあげるね!」
「ふふ、楽しみにしてますね」
また風が吹いてきたことにより、「さぁさぁ、早くお家に入りましょうね」と二人を部屋へと促したのであった。
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