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「きょうも、いっしょにあそぶやくそく、したよねぇ?」 「えほんよんでー!」 ロッキングチェアに座り、さあ始めようと思った時、スパーンと盛大な音を立てて障子を開けた双子がこぞって入ってきたことにより、反射で隠した。 「あら、お父さまと遊ぶのではなかったのですか」 「まことが、おかーさまとあそびたいって」 「ちがう! あらたが、おかーさまとあそびたいって!」 「まことが!」「あらたが!」と押し付け合いをしているが、これはきっと揃って遊びたいということなのだろう。 夫には申し訳ないが、この贅沢な役は喜んで引き受けようと思う。 マフラーを編むのはまた別の時にしようとも。 「やっぱり、ここにいたんだ」 「遊ぶのはいいですけど、障子さんが痛い痛い言ってますから、ごめんなさいってよしよししてあげましょうね」と、二人を引き連れて開け放たれた障子の方へ向かおうとした時に、碧人の姿が見えた。 「「おとーさま!!」」 「お絵描きをしていたかと思えば、二人して急にどこかに行くのだから、何事かと思ったよ」 「だって、おかーさまをみて、かきたかったんだもん!」 「おかーさまと、おはなししたくなって」 新のことを抱き上げた碧人は、一生懸命言う息子に真面目な顔をして、うんうんと聞いてあげているのを傍目に、葵人はしゃがんで、真の話を聞いてあげて、「そうなのですか」と頭を撫でてあげた。 つまりは、碧人と遊んでも良かったけど、遊んでいる最中に葵人のことを思い出してしまったわけか。 「ほら、お母さまは二人のことを構っている暇がないみたいだから、お父さまとあそ──葵、どうしたの」 にっこりとした顔を向けていたことに気づいた碧人が、そう訊いてきたのも束の間、意味深長に笑った。 「急にキスをしたくなったの? 子ども達がいる前で大胆な」 「な、何を言っているのっ! 僕はそういう意味で見ていたわけじゃ⋯⋯」 「きっす?」 「ちゅっちゅ〜」 真は首を傾げ、新は催促するように唇を突き出していると、碧人は愛おしげにふくふくとした頬に口付けをしてあげると、可愛い声を上げて、自身の両頬に手を当てて、嬉しそうに笑っていた。 それを見ていた真は、「まーにもやって!」と言ってくるので、負けじという意味を込めて、両頬にやってあげると、「まこともやるー!」とお返しをしてくれた。

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