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自分のために懸命にしてくれて、向けてくる愛がたまらなくて、笑みが零れる。 愛しき者達を撫でる手はかつて、手にかけようとしていたものだった。 何度振り返っても、碧人の言うことを聞かなかったこと以上の、一生分の罪といえる愚かな行為をしてしまうところだった。 桜屋敷家の跡継ぎのためでしかないといえども、碧人が無理やりにでも止めてくれたことに関しては、感謝したくなる部分はあった。 「おかーさま、うれしかおしてる!」 「あらたとまこと、おやくたちー」 顔を見合わせて笑い合う子達に、「ありがとうございます」とより一層撫でてあげた。 「ねぇねぇ、おかーさま」 「どうしたのです」 「おかーさまのおひざのうえにある、それって、なあに?」 「まこともおもったー!」 小さな人差し指で差した時、今さら気づいた。 「あ、これは⋯⋯」 うたた寝していたものだから、隠すのを忘れていた。 期待しているように、好奇心を向けている目を尻目にどう誤魔化そうかと思案した束の間、愛おしげに微笑んだ。 「まだ内緒です」 「「えー!!」」 不満げな声が重なる。 「なんで! なんで!」 「まーにもおしえてくれないの?」 「そうですね⋯⋯。本当は内緒にしておきたかった物なのです。だから、楽しみにしておいてくださいね」 「たのしみに⋯⋯」 「うーん⋯⋯」 何を編んでいるのか知りたいのであろう、納得いかない顔をする二人につい、言ってしまいそうになるのを堪え、代わりに編みかけのマフラーをテーブルの上に置き、二人を膝上に乗せた。 「お昼寝でもしましょうか」 「あらた、ねむたくなーい」 「おかーさまは、ねむい?」 「眠たいですね」 「じゃあ、まこともねたいから、おうた、うたって!」 「ずるい! あーたも! あーたも!」 「はいはい」 結局は新も寝る形となり、葵人に寄りかかる二人のことを優しく包み込み、ゆっくりとロッキングチェアを揺らしながら、囁くように唄ってあげた。 そのうち、二人が寝息を立てているというところで、葵人も眠りに落ちた。

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