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第10話
「帝。俺の首に両手を回して」
言われた通りにすると、朝霧の腰を夏川が持ちあげた。
60キロ近くある朝霧の体を、夏川はいつも軽々と持ち上げる。
そんな夏川の若い鋼の様な肉体は、全身がしなやかな筋肉に覆われていた。
キスを交わしながら、夏川の屹立がもうへそまでつきそうなくらい復活しているのに朝霧は気付いた。
真っ黒な茂みから、太い幹が反り返りながら上を向いている。
すももみたいにせりだした赤黒い亀頭は、いつも朝霧の前立腺を的確に力強く押しつぶした。
朝霧は夏川に運ばれながら、その濡れた先端をうっとりと掌で撫でまわした。
夏川が眉を寄せ、朝霧の鼻にキスする。
「いたずらっ子め。ベッドでどうなっても知らないぞ」
「いい。リョウの好きにして」
夏川は目を細めると、己の唇を舐めた。
そのセクシーな仕草を見た朝霧はごくりと唾を飲んだ。
リビングで立ち止まった夏川は自分の屹立を掴むと、朝霧の蕾に押しあてた。
「ベッドまで待てねえよ」
貫かれ、朝霧が背を反らす。
「あー」
「くそっ、イイ」
夏川が腰を下から突き上げるたび、夏川の白い肢体が跳ねる。
「ああっ、あああっ」
ぐちょぐちょと湿った音と、朝霧の甲高い喘ぎ声がリビングに響く。
先ほど摘ままれた乳首が赤みを増し、じんじんと疼くのが辛くて、朝霧は眉を寄せた。
そんな朝霧に夏川は濃厚に口づけ、ニッと笑う。
「あとで形が変わるくらい噛んでやる」
ピンと指先で乳首を弾かれ、朝霧の後孔がきゅうとしまる。
耳元に吸いつかれ、朝霧の視線が、脇にそれる。
リビングの大きな窓からは高いタワーの先端に掛かった、丸い月が良く見えた。
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