63 / 241

第63話

「あっ…ああ…んくぅ、リ、リョウ。もう……」  夏川は虚ろな瞳で自分を見つめる朝霧を愛おしそうに眺め、顔を寄せた。 「まだダメだよ。まだ俺の愛がどれだけ重いか帝に伝わってない」  そう言って、夏川は朝霧の口の端に垂れた唾液を舐めとった。 「伝わってる。伝わってるからぁ」  朝霧が腰を揺らす。 「そう? 俺はまだまだだと思うんだけど」  夏川が朝霧の腫れた乳輪を、ぎゅっと摘まむ。 「ひっ」  朝霧はそれだけで、痺れるように感じ、透明な液を屹立の先端から零した。  もうかれこれ1時間、夏川は朝霧の体中を撫でたり、舐めたり、噛んだりしている。  足の指を1本ずつしゃぶられた時は、快楽のあまり朝霧は何度も腰をよじった。  その間、朝霧は何度もイッたが、夏川は1度もだしていなかった。 「もうっ、欲しいっ」  朝霧は今夜、まだ触れてもらっていない自分の蕾が、ひくひくと収縮しているのが分かった。 「まだ俺は帝を味わい足りていないんだよ。ずっとお預けを食らっていたせいで、帝不足なんだ。でも、そんなに欲しがるなら、帝が自分でソコを広げて。俺の入るところを準備しておいて」  あまりの言葉の淫猥さに、朝霧はごくりと唾を飲んだ。  夏川に両手を掴まれ、そこに大量のローションを落とされた朝霧は、膝を立てると、濡れた指で自分の蕾に触れた。 「んっ」  早く入れて欲しくて、両手の人差し指を一気に突き入れ、掻きまわす。  夏川は朝霧のそんな痴態を満足気に眺めると、目の前にある木苺みたいな粒に吸いついた。 「やんっ」  夏川に乳首をしゃぶられ、噛まれ、朝霧は無意識に自分の前立腺を擦っていた。  かくかくと腰が揺れる。 「こら、一人遊びはダメだよ」  夏川が朝霧の性感帯の1つである首筋を撫でながら、濡れた乳首を摘まみ引っ張る。  朝霧は首を振りながら、喘ぎ、散々イッたのにまた己の下腹部が重くなったのを感じた。

ともだちにシェアしよう!