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第69話

「最高に可愛かった。ありがとう」  前髪から雫を垂らし、雄臭い表情でそんなことを言う夏川と目が合うと、朝霧の胸はきゅうと引き絞られたみたいに甘く捩れた。 「リョウ。して」 「うん、俺も限界」  夏川が朝霧の狭さを楽しむように、小刻みに腰を打ちつける。 「あっ、ううっ、ソコ、あ…」  前立腺を擦り上げられ、朝霧の内部は歓喜するように夏川を締めつける。  同時に朝霧のナカに熱い体液が撒かれる。  一旦繋がりを解くと、夏川は朝霧を降ろした。  朝霧はがくがくと震える足で、夏川に背中を向けると、タイルに手をついた。 「ココ、もっとだしていいよ」  朝霧は片手で、己の尻たぶをぐいっと開いた。  朝霧の紅色の蕾を見て、夏川は唾を飲んだ。  さっき放った自分のモノが朝霧の白い足を汚しながら、滑り落ちていく。  その光景を見ただけで、夏川の屹立は硬くなった。  朝霧の背中に覆いかぶさり、夏川が耳元で囁く。 「本当に? 帝、疲れてない? 」  今は土曜の夕方だが、昨晩から合わせると、結構な回数、夏川は朝霧のナカに放っていた。  そう言いながらも我慢できなくなって、夏川は朝霧のナカに先端を潜りこませた。 「あっ」  朝霧が衝撃で、肩をびくりと震わせる。  夏川の屹立の一番太いところで、後孔の縁を嬲られるのが堪らなく良かった。  そろそろと後ろを振り返る朝霧は目尻から涙を零した。 「先週、全然リョウに会えなかったから……ずっと寂しくて」  先週は、朝霧の仕事の納期が迫っており、平日一度も夏川と会うことができなかった。 「もっとリョウが欲しい」  夏川は珍しい朝霧のストーレートなおねだりに、言葉を詰まらせた。  己も朝霧と同様に赤い顔になったことを自覚した夏川は照れて、一気に腰を進めた。 「もうっ。あんまり可愛いこと言わないでよ。奥まで入れる前にでちゃうとこだったじゃん」  夏川はため息をつくと、朝霧の背中に浮き出た傷跡に口づけた。 「俺も寂しかったよ。帝が俺と同じ気持ちで、俺のこと欲しがってくれたの超嬉しい」  夏川は朝霧の頤を掴むと、キスをした。

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