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第211話
隣の部屋に移ると、朝霧の視界にキングサイズのベッドが飛び込んできた。
部屋の隅には小さな椅子が一脚、置いてある。
その部屋にあるのはベッドと椅子のみだった。
「あんたはそこに座れ」
指示された音羽が、夏川を睨みつける。
「どういうつもりだ? 」
「いいから黙って座れよ。あんたに拒否権なんてないだろ? 」
音羽は忌々しそうに舌打ちしたが、結局言われた通りに座った。
朝霧は夏川と手を繋いで、ベッドの近くに立っていた。
朝霧も夏川の意図が読めなかった。
見上げると、優しく微笑む夏川と視線が合う。
「帝」
夏川がそっと朝霧に口づける。
腰を抱かれ、朝霧は思わず熱い吐息をこぼした。
先ほど貞操帯を外してもらってから、朝霧は下半身に何も身につけていなかった。
シャツ一枚の姿で、夏川の体に縋りつく。
夏川はキスを続けながら朝霧のシャツをまくり、胸の尖りを親指で押しつぶした。
「やんっ」
思わず声が漏れ、朝霧が頬を染める。
貞操帯のせいでずっと性的に我慢をさせられていたのと、最愛の男に久々に抱きしめられている喜びのせいで、朝霧の股間は既に大きく昂ぶり、先端からとろとろと蜜を零した。
夏川は自分のスーツの胸ポケットから注射器タイプのローションを取り出すと、パッケージを歯で破った。
朝霧の耳の下に薄い皮膚に吸いつきながら、夏川は朝霧の真っ白で小ぶりな尻を揉み、最奥の蕾にローションを突き立てた。
「あうっ」
一気に中に粘度の高いローションをぶちまけられ、朝霧は快楽で頭を真っ白にしながら腰を揺らした。
「ローションだけど、久々に中濡らされて興奮しちゃった? 」
朝霧の白濁が、紺色の夏川のスーツをべったりと汚す。
「はあ、ごっ、ごめん。リョウ。俺、我慢できなくて」
「いいよ。俺のほうももう、こんなだし」
スーツの上からでも分かるくらい、熱く昂った腰を押しつけられ、朝霧は頬を染めた。
その瞬間、何かが倒れる音がした。
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