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第216話

「いいか? 帝は未来永劫俺のものなんだよ。あんたじゃこうやって帝を抱いて、満足させてやれないだろ」  そう言うと夏川が荒々しく腰を上下させた。朝霧は大きく揺さぶられながら、叫んだ。 「あああっ……イイ。イイよ、リョウ。もっと、もっとして」  頬を上気させながら、朝霧が訴える。 「帝」  夏川の腰がさらに激しさを増す。  最奥を小刻みに強く突かれ、朝霧は足の指を丸めた。 「でる、でちゃうぅ」  その瞬間、ぷしゃっと朝霧は屹立の先端から潮を吹いた。  夏川に突かれる度、透明な液体がベッドに撒き散らかされる。 「帝、俺もだすよ」  夏川が朝霧の尻に、自分の股間をぐりぐりと押しつけた。  朝霧はあまりの快楽に、意識を失いそうになりながら微笑んだ。 「奥、熱いの……びゅくびゅくって…たくさんかけてくれて。すごくおおきいのでゴリゴリされるのも、ココめくれちゃうくらい激しくされるのも良くって。ふわぁ、あぁっ、気持ちいぃ」  後孔に触れながら、うっとりと呟く朝霧に夏川は噛みつくようにキスをすると、その体をベッドに押し倒し、背後から再び突き始めた。 「いいか。こんな風に帝を乱れさせられるのは俺だけなんだ。あんたの股間の粗末なモノじゃ、こいつは満足できない。自分の目で見て分かったろ? 帝は天使なんかじゃない。最高に可愛くて淫乱で、俺の最愛の恋人なんだよっ」 「帝君」  朝霧は意識の端の方で、音羽が悲痛な声で自分の名前を呼ぶのが聞こえた。  でもそんなことより自分の中を抉る熱が愛しくて、もっと欲しくて。  朝霧は背後の夏川を振り返った。 「リョウ。もっと奥、激しく突いて。お腹、たぷたぷになるくらいだしてっ」 「いいよ。帝のお腹がぽっこり膨らんで、戻らなくなるくらいだしてあげる」  夏川が腰を動かし、部屋には朝霧の喘ぎが響いた。  肩を落とした音羽は、下着とズボンを身につけると、無言で部屋から出て行った。  そんな音羽を夏川は引き留めなかった。  音羽が出て行ったことを朝霧も夏川もお互いに夢中で、全く気がつかなかったのだ。

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