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番外編 諒太さん、欲求不満です(2)★

「どうぞ、中へ」  橘は想像どおり疲れた顔をしていた。そのことを気に病みつつ、諒太は靴を脱いで部屋に上がる。 「う、うん。お邪魔しま――」  と、言い終わる前に強い力で抱き寄せられてしまった。こちらが驚いているうちにも唇が重ねられて、分厚い舌が入り込んでくる。 (ちょっ、いきなり激しっ……)  貪らんばかりの勢いに圧倒されながらも、体が熱くなってしまうのを止められない。  その後、額や頬にも口づけたかと思うと、橘は鎖骨へと顔を埋めてきた。薄い皮膚に軽く歯を立てたあと、力を込めて吸いあげられて鬱血の痕を残される。 「んっ――こら、さっきから何してんのっ」 「諒太さんの顔見たら、つい」 「………………」  男の生理現象というものはわかりやすい。橘の下半身がすっかり反応していることに気がついて、諒太は何も言えなくなった。 「すみません。そういったことしたくて呼んだワケじゃないんすけど……」 「……いーよ、別に」 「え?」  橘が目を見開く一方、諒太はその手を引いて歩きだした。寝室に入るなり、ベッドに押し倒して覆い被さる。 「疲れてんだろ。大地は横になってていいから」 「でも、それじゃ」 「――俺も欲求不満だ、って言ってんの」  ぴしゃりと言い放って、諒太は橘のズボンに手をかけた。  下着ごとずり下ろすと、すでに硬く張り詰めたものが露わになる。先端からは透明な汁が溢れており、欲望に突き動かされるまま諒太の体が動いた。 (こんなの目にしたら、もう……)  頭上で息を呑む気配がしたが、構わず咥え込んでやった。先端を舐めしゃぶりながら竿の部分を擦ってやれば、たちまちのうちに質量が増していく。 「っ、そんなことしなくていいですよ。シャワーも浴びてないのに」 「んっ、は……雄っぽい匂いしておいしいよ? すげー興奮する――」  下腹部の疼きを感じて腰を揺らしてしまう。堪らず手を伸ばそうとしたら、橘がそれを制した。 「諒太さん、お尻こっちに向けて? 俺も触りたい」 「……ん、これでいい?」  俗にいう《シックスナイン》の体勢――言われるまま四つん這いになり、臀部を向けてやる。すると、すぐに下衣を剥ぎ取られて、橘がまじまじと見つめてくるのがわかった。 「もう柔らかくなってる。もしかしてこれ、一人でいじってました?」  双丘の奥にある窄まりに指を押し当てられ、感触を確かめるように撫でられる。  ゾクゾクというじれったい感覚に、諒太は身を捩らせながら返事をした。 「あっ、ん、いじってた……つい、さっきまで」 「へえ、後ろ使ってオナニーしてたんだ? ……ここ、寂しかった?」  そんな言葉とともに橘が顔を近づけてきて、ぬるりと湿った感覚が襲ってくる。  当然、諒太はギクリとしたがもう遅い――生温かい舌が蕾の周りを這い、何ら躊躇いもなく体内へと侵入してきた。 「待っ、そこは……ひ、ぅ!」  まるで生き物のように蠢くそれが、内壁をねっとりと舐め上げていく。  今まで何人もの相手と体を重ねてきたけれど、こんなところを舐めてくる輩はそういなかった。羞恥と快感で体が震えて、気づけば口淫するどころではなくなっている。 「ン、あっ、こんなの、教えてな……っ」 「諒太さん、前より後ろ触られる方が好きでしょ?」 「それはそう、だけどっ……さすがに汚い、よおっ」 「汚くなんかないっすよ。むしろ可愛い」 「ひあっ、あ、あぁっ……」  橘は唾液を送り込むようにして後孔を犯し続ける。  諒太も懸命に口を動かそうとするが、快楽に負けてしまい、橘のものを咥えているのが精一杯だった。  いつの間にか秘部は蕩けきり、もっと欲しいとばかりにヒクついている。いよいよ我慢できなくなって、諒太は肩越しに振り向いた。

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