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番外編 諒太さん、欲求不満です(3)★
「も、これほしい――挿れて、いい……?」
問いかける形だったが答えを聞く余裕もない。言うが早いか橘の方に向き直ると、彼の昂りを手に取って自ら押し当てていた。
「諒太さん、まだゴム付けてな――」
「大地ならいいよ。ナマでしたって、中出しされたって……ほら、大地のチンコが入ってくとこ見てて?」
それはまごうことなき誘惑だった。
そのままゆっくり腰を落として、橘の欲望をずぶずぶと呑み込んでいく。待ち焦がれていたものの大きさに、諒太は甘えるように声を上げた。
「あっ、ナマのチンコ気持ちいい……カリ高だから、ゴリゴリされてっ……は、んっ――」
薄い膜の隔たりがないぶん、雄々しいその形を直接感じられるのが堪らない。段違いの快感に、挿入していくだけでも腰が勝手に震えてしまう。
「っ、く……諒太さんのナカ、俺に絡みついてくる」
「ん……だって、これ、ずっと欲しかった……っ」
根元まで受け入れたところで、諒太は待ちきれないとばかりにすぐさま動き始めた。橘の腹の上に手をつきながら、本能のままに腰を揺らす。
「あぁ……あっ、ん……」
動きに合わせて、ベッドがギシギシと軋む音を立てるのが生々しく、さらに興奮が高まっていく。この調子で動いていたら呆気なく果ててしまう――そうとわかっていても、理性が飛んでしまって止めようがなかった。
「あっ、ン、どうしよ、とまんないっ……きもち、よすぎ――」
「俺も、すげー気持ちよくて……ヤバい」
橘はそう言うと、いきなり下からズンッと突き上げてきた。予期せぬ衝撃に襲われて、諒太の口から悲鳴じみた喘ぎが漏れる。
「ひ、ぐっ!? あっ、あ、だめっ……今日はおれがっ」
「っ、俺だってもう我慢できない」
「やっ、あ! だめ、こんなの、すぐイっちゃうからあっ……!」
諒太は堪らず喉を仰け反らせた。しかし、橘の動きは止まることなく、容赦のない責め立てに絶頂の兆しが見えてくる。
「う、あっ、イく……イく、イくうっ!」
と、そのとき――迫りくる射精感に下半身を震わせていたら、橘の手が屹立へと伸びてきた。根本をきつく握られ、滾る熱が塞き止められてしまう。
「えっ、や……なんでっ、離し……ッ」
「俺、今日は二回戦とか無理そうなんで……もう少し付き合ってください」
言うなり、橘が腰の動きを速めた。
強く突き上げられるたび、脳裏に火花が散るような錯覚を覚える。達する寸前で塞き止められたせいで、行き場を失った熱が体の中で暴れ回っていた。
「ひうっ! あ、も、むりっ、むりい――おかしくなるうっ」
止めどなく押し寄せてくる快感が苦しくて仕方がない。
どうにかしてほしくて、涙目になりながらイヤイヤと頭を振るも、橘は一向に手を退けてくれなかった。
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