50 / 91

第50話 可愛くて、いやらしい

 義信さんにできないことってきっとないんだ。料理、すごく上手で。たまに暇だと色んな料理の動画とかも見るけど、そういうの、義信さんがやったらすごい人気になるんだろうなぁ、なんて。  今日のご飯は、ね。  ――汰由が一緒だから美味しいよ。  なんて言ってもらえたんだ。  きっと笑っちゃうくらいに頬が赤かったでしょう? 「あ、ン」  だって、義信さん、笑ってたもん。  脱がされながら、あらわになった肌へその都度キスをしてもらえて、気持ち良さそうな甘ったるい声が零れ落ちる。 「あぁ、ぁ、ン」  胸にキスをもらうと、ゾクゾクして、背中がぎゅっと丸まる。そして丸まりながら、たくさん可愛がってくれる義信さんの頭を抱え込んで。 「……汰由」  今日は、お休みの日だから、整髪料とかつけてないのかな。  髪いつもよりもっと柔らかくて、触るのきもちいい。  それと、興奮する。 「ぁ、義信さ、ン」  抱きかかえながら乳首への愛撫に身悶えていた俺を見つめて、義信さんが優しく微笑んでくれる。その唇にキスをして、腕の中から彼を解放すると。今度は手を伸ばして、触れた。 「汰由……」  今度は、俺の番、ね?  体勢を入れ替えて、寝転んだ義信さんに覆い被さる。今から襲い掛かっちゃいそうな体勢になるのは照れ臭い。 「あんまり上手じゃない、けど」 「そう?」  きっと、貴方を気持ち良くしてあげるのがもっとずっと上手な人と今までたくさんしてきたと思うけど。 「気持ちいいよ? 興奮する」 「ン」  唇を指でなぞられて、少し強くギュッて乱された唇がゾクゾクして、舌を出した。洋服だって上手に畳めて、ラッピングのリボンだって素敵に結べて、料理だってなんだってスマートにこなしてしまう貴方の指にしゃぶりついて、キスをした。 「もつかな」 「?」 「汰由のここで」 「あ……ふ」 「可愛がられたらすぐにイキそうだ」  とろけちゃいそう。  そんなことを言われて、とろけてしまいそう。  こんなことを言ったらはしたない子って思われるだろうけど。 「……義信さん」  早く、貴方にしゃぶりつきたい。  だから押し倒して乗っかると、俺よりずっと硬くて逞しい胸にキスをした。肩にも。それから乳首にちゅぅってキスを。そしたらくすぐったいよって笑ってる。  くすぐったいの?  俺は、ここにキスしてもらえるとたまらなく気持ちいいよ? ここだけて、イっちゃいそうになるくらい。 「汰由は、そこ、キスされるの好き?」 「う、ん、好き……気持ちいい、です」 「そう。じゃあ、お礼に、あとでたくさんしてあげないと」  わ。やった。  そう内心喜んじゃったのが顔に出てたのかな。義信さんは笑いながら、可愛いなって囁いて、頭を撫でてくれた。  俺はその手に自分からも撫でてもらえるように首を傾げてから、彼の、硬いのに手を添えた。  両手で、大事に握って、足の間に座り込んで、パクリと口に咥える。 「ン、む」  それから口の中いっぱいにできるだけ咥えて。頬を窄めて吸い付きながら、何度か頭を上下に動かした。  今の、気持ちよかったのかな。  義信さんのが、また少し太くなった気がする。  だから、気をよくした俺は何度も頭を上下させて。 「困った」 「?」 「汰由はどうしてそう」 「?」 「そういえば、今日は、メガネしてるんだね」 「……ぁ」  忘れてた。そんなにメガネがないと不便な生活をしているわけじゃないから、これは俺にとってちょっとした変装アイテムみたいなもので、だから、全然、かけてることにもあまり意識がいってなくて。 「ずっと、バイトの時はメガネしてなかっただろう? メガネをしていない汰由は自由で、よく笑う、ずっと捕まえてないとって思うくらいに可愛いんだ」  ふぅ……って、一つ、義信さんがこぼした吐息が色っぽい。 「でも、メガネをしている汰由はあどけなくて、健気で、可愛いよ」 「っ」  また、内心、大喜び、してる。 「汰由」  貴方に可愛いって、二回も言ってもらえた。 「……義信さんは、そのまま、寝てて」  嬉しくて、舐めて甘える猫みたいに、その優しい唇にキスをして擦り寄った。  もっとちゃんと覆い被さって、寝転がっている貴方の逞しい腰に跨ると、そのまま後ろ手で、たくさん舐めて、俺の拙い舌で義信さんがカチカチに硬くしてくれたそれを撫でて。  呼吸を乱してくれる。  かっこよくていつでも余裕のある優しい人が笑顔じゃなくて、息を詰めて、しかめっ面をしてくれる。そんなふうにしてくれることに、俺の、指先に反応してくれることに、嬉しくて。  早く、欲しくなる。  貴方に、前戯で触ってもらったところは今、もう気持ちよくてたまらないから。首筋も、乳首もうずうずするくらい気持ち良くて、すごく敏感だから。  だから、貴方の、欲しい。  ここで受け止めたら、奥、これで触ってもらったら、気持ちよくてたまらない。 「俺、が、挿れたい、です」 「っ」 「ここに、ぁっ」  熱くて、クラクラした。 「あぁっ……」  太くて、ゾクゾクした。 「あ、あ、あぁっ、ぁ……ン」  義信さんのペニスを自分から咥えただけで。 「あぁぁぁぁっ、ン」  イッちゃうくらい気持ちよかった。

ともだちにシェアしよう!