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第51話 幸せそうで

「あっ…………」  身震い、した。 「汰由」  義信さんの、太いの……を挿れただけで。 「ン」  イ、ちゃった。  また、そう意識をした途端に、中が、きゅぅんって、義信さんを締め付けた。  気持ち、ぃ……。 「あ……ン」  俺、知ってるよ。  今、俺がしちゃったのって。トコロテン、でしょう? 「あン」  知ってる。前に動画で見たことある。男優さん、なのかな。男の人が今の俺と同じになって、それで。 「あぁ……ン」  やらしいって言われてた。  俺も、やらしいかな。  自覚しただけで、また身震いしながら、太いのを中に自分から擦り付ける。 「ひゃぁ……っ、ン、あっ……ン」  前立腺のとこ、ど、しよ。気持ちいい。すごくすごく、気持ちいい。  ここも好き。義信さんと、こういうことするようになって知った、の。ここ。 「あぁぁっ……ン」  奥のとこ。  俺の指じゃ届かなくて、使ったことある、けど、そういうオモチャでも届かなくて、義信さんの、この、太いのだけが届くとこ。 「ひゃ、あ、あぁぁあっ」  そこを自分から迎え入れるように腰をくねらせたら、たまらなくて、ゾクゾクってした。そのまま、もっと、腰使って、好きなとこを義信さんの硬いので何度も擦って。 「……汰由」  貫いて。 「たまらないな」 「あっ……あぁ!」  義信さんが俺の頬に熱い指先で触れて、それから、上半身を起こした。その拍子に、中まで奥深く自分で招いていた俺は、新しいところを義信さんの一番、太いところで刺激されて、また、軽く、イッちゃって。 「夢中になってて、いやらしい」 「あ、ごめ……」 「違うよ。上手に気持ち良くなれていて、可愛い」 「あっ……ン」  起き上がった義信さんが片方の手を俺の背後について、身体を支えてくれる。それから夢中になって跨って腰を振っていた俺の吐き出した白いのをもう片方の手で拭って。 「汚し」 「汚れてないから」 「あ、あぁっ」  その、俺の吐き出したので濡れた手で俺の、萎えるどころか気持ちいいって硬くなってるそれを握ってくれた。 「ここも、汰由は好きだったね」 「ひゃぁンっ」 「さっき、あとで可愛がって上げるって約束した」 「あ、あ、あ、これ、あぁっ……ダメっ」  逞しい背中を丸めて、義信さんの唇が俺の、胸のところで、疼いてた乳首を襲ってくれるのに身悶えて。  噛んで、舐めて、キスをしてもらいながら、前を俺ので濡らしちゃった手で扱いてもらえて、本当に溶けちゃいそうに気持ちいい。 「いつもは真面目で健気で」  乳首、ちょっと痛いくらいに噛んでもらえるの、気持ちいい。 「セックスの時は、やらしくて」  義信さんの優しい唇にいじめられて、おかしくなっちゃいそうに、いい。 「すごく興奮する」 「あっ……ン」  ぎゅっと抱き締められて、その腕の強さに胸のところが甘く疼いた。 「やぁ……ン」  思わず溢れた懇願混じりの甘えた声。  まだ、深くまで義信さんに可愛がられたいのに、引き抜かれて、奥がキュンキュン疼いてる。もっと、欲しいのにって。 「汰由」  もっと欲しいの。 「……ぁ」  その、太くて硬いので、もっと。 「義信さん」  貫いて、奥まで可愛がって欲しくて、自分から四つん這いになった。  片手で身体を支えながら、もう片方の手でお尻のお肉を自分で鷲掴みにして。そのまま拡げる、の。  ヒクヒクして、物欲しそうな孔を見せつけるように。 「ここ、に」  義信さんが後ろから見つめてる。  その視線を想像しただけで軽く達しちゃいそうなくらいに興奮しながら、ちらりと背後を伺った。 「お願い」  理性、とか、溶けちゃいそう。それから、ドキドキして仕方ない。  だって。 「ここ、もっと、して欲しい、です」  背後にいたのは、男っぽく顔をしかめながら、濡れた柔らかい前髪を掻き上げて、俺のこと見つめてる、お店や外、スーパーマーケットでさっき一緒に買い物をした、大学の前まで俺のことをお迎えに来てくれた優しい義信さんじゃなくて。 「犯、して」  色っぽくて、それでいて、興奮してくれてる雄、の、義信さん、だったから。 「汰由」 「あっ」  背中に義信さんの重みが乗っかる。それから濡れた肌が重なって、体温がそこから溶け合いそうなくらいお互いに熱くて。 「やらしい子」 「あぁぁつ」  うなじにキスをされながら、本能のままにする動物みたいに身体が繋がった。 「あっ……あ、あぁっ……ン」  またイっちゃった。挿れただけで、イク。でも、俺の呼吸が整うのは待たずに義信さんがそのまま奥までいっぱいに挿し貫いて。 「あン……」  それがすごくたまらなくて。  ――汰由。  優しい彼の。 「っ、汰由っ」  激しさがたまらなくて。 「ああっ」  ずっと、気持ちいい。 「汰由」 「あ、あ、あ、あぁっ……あ、ン」 「汰由の中、気持ちいいよ」 「あっ」 「柔らかいのに締め付けてきて」 「あ……もっと」  好きな人とする行為は理性が溶けて、ぐちゃぐちゃで。 「もっと俺の中で気持ち良くなって、ほし、い」  ひどくはしたなくて恥ずかしいことも、格好も、なんでもできちゃうくらいで。 「汰由」 「あぁっ」 「好きだ」  気持ち良くてたまらない。 「俺も、義信さんっ、が」  幸せで。 「好き」  たまらない。

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