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セクシーメリークリスマス編 5 優しいセックス

 きっと、義信さんのスーツ姿に見惚れた人、いたと思う。  だって、本当にカッコいいんだもん。ちょっとズルいくらい。背が高くてさ。足も長くて、目、引くでしょ? わ、ってなった人、きっといたよ。一目惚れしちゃった人もいたかも。  でも、誰もこの義信さんは、見てない。  シャツのボタンを外して、ネクタイを緩めて、スーツを乱してるところは。  見てるだけでドキドキしてくる。 「汰由?」  髪をかき上げて、俺を見つめてくれるだけで身体が熱くなる。 「本当に気に入ってるんだね」 「はい、かっこいい」 「ありがとう。でも、僕もとても気に入ってる」 「?」  首を傾げると、優しく笑って、膝の上に跨っている俺の腰を両手でしっかり掴んで、少しだけ引き寄せた。 「このニット、すごく似合ってる」 「あっ、ホント? っンっ」  それから、そう褒めてくれたニットの中にするりと優しい手が忍び込んできた。 「本当だよ。汰由はピンクが似合う」  そして、温かい手で背中を撫でられると、優しい心地良さと一緒に甘いゾクゾクを感じて、腰が勝手にくねってしまう。 「あっ、ン」  その手が背中から脇腹を撫でて、そのままニットを捲り上げて、触られるとたまらない心地になってしまう乳首を押し潰すように触れて。 「あっ」  二本の指で摘んで。 「あっ、義信、さんっ」  キス、してもらえた。 「あっ、ン」  乳首、気持ちぃ。 「あっ」  噛まれるとズキズキするくらい。痛いんじゃなくて、感じすぎてズキズキする。 「ひゃ、ぅっ」  舐めて可愛がられると蕩けてしまいそうになる。  気持ち良くて、やらしくて甘ったるい気持ちが溢れて、義信さんの唇ばかりをじっと見つめちゃう。  もっと舐めて欲しい。  もっといじめて、可愛がって欲しいって。 「汰由」 「あ……」  背中をまた撫でてくれる手に誘われるまま、前のめりになると、愛撫で硬くツンってした乳首を甘噛みしてもらった。それをされると切ないくらいに気持ち良くて、義信さんの首にしがみつきながら、背中を逸らして腰を浮かせた。 「あ、あっ」  大きな手は背中から滑りながら、腰を撫でて、服を下着ごと、するすると下ろしてしまう。 「あっ、義信さんっ」  指に。 「あっ、っ」  ゾクゾクしちゃう。 「ンっあぁぁっ」  お尻を撫でられて。 「あっ」  指が入ってきただけで、もう、奥が期待してる。 「義信、さん」  ルーズなシャツ姿の義信さんが色っぽくて、そんな大人の色気に当てられちゃったんだ。もう、欲しくて、ほら、まだほぐしてもらってるだけなのに、腰が揺れて、俺、すごく気持ち良さそうでしょ? 「あ、あ、あ」 「汰由」 「義信さっ、ン」 「すごいね」 「あ、あっ」 「汰由が色っぽくて、たまらない」 「ほ、んと?」 「あぁ」  義信さんの声が低く掠れてた。しがみついて指に喘いでた俺は、すぐそこで息を呑んでくれたのがわかる。指、熱くて、太くて、俺がたまらなくなっちゃうところを撫でてくれて。  もう、欲しいよ。 「義信さん」  このスラックスの中で窮屈そうにしてるの、欲しい。  そうねだるように腕を後ろに回して、跨いでいる背後にある硬いのを手で撫でた。 「これ、ください」 「っ」 「欲しい、よ」  すごい。熱かった。スラックスの前をくつろげて、まだ、あげるって言われてないのにおねだりしたそれを直に手のひらで撫でて、握ると、クラクラするくらいに、興奮した。 「あんまり煽らないように」 「あっ」 「汰由」 「あっ……あぁっ」  孔に先端が触れると、溶けちゃいそうなくらいに熱くて、ぎゅっと義信さんにしがみついた。 「汰由」 「あぁっ」  名前を呼んでくれる声に心臓が破裂しそうなくらいにドキドキしてる。 「挿れるよ」 「う、んっ、あ、あ、あぁぁぁっ」  ゆっくり、でも、力強い挿入に震えながら。 「あ、あ、あ、おっき、ぃ」  根本まで飲み込んだ身体を義信さんが馴染むまで待ってくれてる。 「あっ……ン……ン、ん」 「気持ちいい?」 「う、ん、すごく、あ、あぁっ、気持ち、いっ」  優しいセックスに蕩けそう。 「あっ」 「動くよ。掴まって」 「う、んっ」  抱き締められながら、奥までいっぱいに好きな人を感じられて、夢見心地でふわふわする。 「汰由」 「あ、うんっ、あ、あ、そこ、好き、気持ち、ぃ」  良いところを義信さんので撫でられて。 「あ、あンっ」  いじめられて。 「ンンっ、ふっ……あ、ふっ……ン、ん」  甘いキスにうっとりとしながら、自分から義信さんのに甘えるようにしゃぶりついた。奥でぎゅってして、孔を締め付けて。 「汰由」 「ん、あっ、奥、気持ち、ぃ」  義信さんがくれるの、全部、気持ちいい。 「ああ、あ、あ、もっと、あっン、俺もっ、義信さん、気持ち良くなって、欲しっ」  夢中になって、腰を振った。貴方がしかめっ面をしてくれると嬉しくて、たくさん、貴方のことを虜にしたくて。 「あ、あ、あ、義信さん、好きっ」  それに、こんな顔した義信さん、きっと、みんな知らないでしょ?  いつも優しくて包容力あって、お仕事だってできて、なんでもできちゃう人が、少し苦しそうに眉間に皺を寄せてくれる。俺のこと追いかけるように責め立てて、強く掴んでくれる。 「好きっ」  セックスしてる時の義信さんをもっとたくさん、もっともっと独り占めしたくて、ぎゅって抱きついた。 「あ、あぁぁ」  そして奥でいっぱい大好きな人を感じたくて、もっとたくさん感じたくて、キスで、腕で、身体で、貴方にしがみ付いた。

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