44 / 61

44.###

 週末の夕方、先生と平和に夕飯の支度をしてた時。とうとう悪魔が来やがった。  インターホンが鳴り、先生がモニターを覗く。固まる先生を見れば分かる。奏斗サンだ。  案の定『開けろ』と言われて開ける先生。予想通り過ぎてなんも言えねぇ。抵抗とか拒否なんて、やっぱできねぇんだろうな。    まっすぐ寝室に俺らを引っ張っていって、挨拶もなしにベッドに腰掛けやがった。そんで、煙草に火をつけると俺を呼んだ。  先生じゃねぇのかよ。つぅか、ヤリに来た感ハンパねぇな。 「何するか、理解できてる(わかる)よな? さっさとシて」  偉そうに座って命令する。 「チッ····はーい」  ファスナーを下ろそうとしたら両手首を掴まれた。馬鹿力め、手ですんなってか。  しょうがねぇから口でファスナーを下ろす。勃ってねぇのにキツく収まってるちんこを、口だけで取り出そうと奮闘する。やってるうちに、ちょっと硬くなってきたから余計出しにくい。  “くそっ”なんて言ったら、またしんどい事されんだろうな。賢い俺は、気持ちをグッと押し殺す。  漸く出せたちんこの先をチロッと舐めた瞬間、片手で俺の髪を掴んで一気に喉奥までねじ込んだ。 「──んぶっ、お゙、ゔえ゙っ··お゙ぼっ··」 「舌打ち、だるそうな返事。次やったらイラマで殺すよ♡」 「んぶっ····ふぅ゙··」  従ってもこれだ。 「俺の指示には従順に従え。····お前もおいで」  シャツの裾を握り締めて固まっていた先生に視線を向けると、偉そうに顎で呼んだ。んで先生には、背後から耳や首、肩とか背中へキスで愛撫させる。  なんでそっちはそんなに甘いんだよ。酷くされるよかいいけどさ。 (クソッ! ムカつく)  奏斗サンを睨むと、俺に煙を吐き掛け舌打ちを浴びせてきた。 「ホ〜ント生意気なだけで使えないねぇ。ンなんじゃ勃たねぇだろ。しっかり喉使え」  髪を掴んだまま俺の頭を動かして、激しくピストンさせる。頭も首も(いて)ぇ。  イク時は、頭を引き寄せ根元までねじ込んで、こじ開けた喉奥に大量の射精をする。1発目だから濃いわ長いわ。マジで死ぬかと思った。    ()せて逆流した精液を、鼻から噴き出して痛いし臭いし苦しいし。あと、めちゃくちゃ気持ち(わり)ぃ。  そんな俺を見て、整った顔面を歪めてほくそ笑む奏斗サン。マジで性格悪すぎんだろ。  奏斗サンは、一発出したら勝手に風呂に行きやがった。俺らが入るつもりで沸かしてたんだけど、知ったこっちゃねぇんだよな。  先生に顔を拭いてもらってたら、俺だけ奏斗サンに呼ばれた。否応なく、一緒に入らされんのな。先生を呼ばれるよりはいいけど、やっぱ嫌だから端に寄って小さくなって入る。  風呂が狭いから、触れない距離までは逃げらんねぇ。ずでんと足おっぴろげで入る奏斗サン。勃ってないのにデケェちんこがぷかぷか浮いて揺れてる。なんか腹立つなぁ。  俺のだって同年代の奴よりはデカいと思ってたけど、余裕で先生のほうがデカいし、奏斗サンのはそれ以上。なんか自信()くすわ。とか思いながら、無意識にちんこをガン見していた。  すると、奏斗サンは俺の後頭部を持って引き寄せやがった。バカじゃねぇ? 首折れるっつぅの。 「咥えろ」  つっても、アンタのちんこお湯ン中なんすけど。どうしろってんだよ。と、戸惑ってたら、俺の髪を掴んで沈めやがった。  藻掻く俺の口ン中に、半勃ちのそれを突っ込んでくる。逃げようにも力一杯押さえ込んでくんの、ちょ、マジで死ぬって。  1回喉奥を突くと、髪を引っ張って頭を引き上げてくれた。 「ぷはぁぁっ··ゲホッゲホッ····ちょ待っ──」 「はーい、もっかい」  ふざけてんのかと思うくらいニッコニコして言うと、また沈めやがる。これを、意識が朦朧とするまでされた。  よく殺されなかったなって思う。コイツのやる事なす事、いちいちシャレになんねぇんだよ。  風呂から出ると、先生がフラフラな俺を拭いて髪を乾かしてくれた。すげぇ心配そうな顔してる。  その間、奏斗サンは俺らが用意してた飯をつまんでやがんの。俺も腹減ってんだけど。俺が食いてぇの、アンタのちんこじゃねぇんだわ。くそっ、唐揚げ楽しみにしてたのに····。  って言ってやりたいけど言えねぇ。めっちゃ鼻からお湯吸い込んで(いて)ぇんだもん。涙止まんねぇ。  あーやべぇ、めちゃくちゃ苛々する。 「芯····大丈夫?」 「大丈夫なわけねぇじゃん。アイツ··マジで頭おかしーんじゃねぇの? やる事が鬼畜っつぅか外道だわ。サイコ過ぎんだろ。信じらんねぇ」  鼻声で文句を撒き散らす。カッコつかねぇわ。 「そりゃどーも。お褒め頂き光栄だよ」  脂ぎった指を、ちゅぱっと舐めながら戻ってきやがった。ドア枠に寄っ掛かって、いちいちカッコつけやがんの。長身イケメンうぜぇな。  ベッドに腰掛けると、先生を呼ぶ。下脱がせて跨らせて、そんで、先生の眼鏡をそっと外してサイドテーブルに置いた。怯える先生に、熱を孕ませた視線を向ける奏斗サン。  なに2人の世界に入ってんだよ。うざ。 「なぁおい、先に話しようや」 「話? 何か話す事あったっけ?」  白々しさに苛立つ。そっちがその気なら、俺だって引かねぇかんな。バカな俺は、怖いよりムカつく方が勝っちまった。 「奏斗サンてさ、何がしたいの。俺から先生盗りたいの? もしかして、先生が泣いて縋ってアンタにヨリ戻そうって言うとでも思ってた? ははっ、んな事あるわけないじゃん。アンタ怖がられて嫌われてさ、完全に終わってんじゃん。先生が愛してんのは俺なんだって。残念だったね、奏斗サン」  やべ、めっちゃ煽ったかも。俺、殺されねぇかな····。でも、すげぇスッキリした。 「し、芯····そんな言い方したら──」  言葉を遮って、奏斗サンは先生の腰を抱き寄せた。先生の頬に手を這わせながら、バカにしたように俺を見下ろして言う。  あ、ちなみに俺は、海老反りの状態で手足を後ろで縛られていて、起き上がる事もできない。くっそ情けない格好で煽ってたわけ。  でも、あのまんまイイ雰囲気でキスとか見せつけられんのはムカつくもんな。 「芯クンさぁ、何か勘違いしてない? コイツをお前から奪う? ハハッ····俺こないだ言ったよね? 2人とも飼うって」  あー····、なんか言ってた気がする。 「そういう事だから、芯クンも後でちゃ〜んと可愛がってあげるよ。お前はまず完璧に服従させてやるから、覚悟してな」  奏斗サンの目が、スッと冷たく落とされた。やべぇな、何されんだろ。  けど、服従なんかしてたまるかよ。絶対にしねぇ。····たぶん。

ともだちにシェアしよう!